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ただしくないひと、桜井さん

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103505716
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ただしいひとなんて、たぶんいない。R18文学賞受賞作を始め、どうしようもなく足?き続ける人々を鮮やかに掬い上げたデビュー作。きっと、これは、ただしくない。わかっているのに、どうしようもない。学童保育でボランティアをする桜井さんは、やる気がなさそうに見えて、子供たちからなぜか人気。平穏な日々を破る突然の出来事に、彼は――。不倫、援交、育児放棄……その裏にある、切実な痛み。読者から圧倒的支持を得たR-18文学賞読者賞受賞作をはじめ、抗えない感情を抱え生きる人々をそっと掬い上げたデビュー作。

滝田 愛美[タキタ エミ]

内容説明

学童保育のような場所でボランティアをする桜井さんは、やる気がなさそうに見えて、子供たちからはなぜか人気者。だが、平穏な日々は突然、一つの事件によって破られる。読者から圧倒的支持を得たR‐18文学賞受賞作をはじめ、どうしようもなさを抱えて生きる人々をそっと掬い上げたデビュー作。第13回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞受賞作。

著者等紹介

滝田愛美[タキタエミ]
1981年東京都生まれ。東京外国語大学外国語学部注鮮語専攻、東京大学文学部宗教学・宗教史学専修課程卒業。2014年、「ただしくないひと、桜井さん」で、第13回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

178
さすがR-18文学賞読者賞受賞作!ただしくないと言われていること。自分でも本当はただしくないとわかっているけど、どうしても抗えない。わかってはいるけどそれを支えに生きていたり、そのお陰で平常心を保てたり…。心にぽっかり穴が開いているようでその孤独な穴を埋めてほしくなることあるんじゃないかなぁ。所謂いろんなただしくない関係が描かれている。「正義のみかた」で賞を受賞し、あと3編は書き下ろし。4編の連作短編集。「正義のみかた」のラストに涙。どの章も重いけどとても読みやすかった。これから追いかけてみたい作家さん!2018/01/18

おしゃべりメガネ

162
実は自分の中で、あらゆる賞の中でも信頼度が地味に高い『R18文学賞』ですが、本作はその中でもかなりグレードの高い素晴らしい作品でした。4編からなる連作集で、久しぶりに全く無駄がなく、隙もないしっかりとした作品を読めた満足感がハンパないです。確かにセクシャルな描写は若干ありますが、いい意味でR18文学賞という冠が読書層を変に限定してしまっているような気がして残念です。もっと気軽にあらゆる読書層の方に手にとってもらいたい作品です。作者さんの物語の展開、繋げ方が本当に技ありで今後が楽しみな作家さんの一人です。2018/06/16

🐾Yoko Omoto🐾

137
R-18文学賞出身のデビュー作。背徳、禁断、裏切り、それらは正しくないことだと頭でわかっていても、理屈や理性を飛び越え、どうしようもないほどに自分をコントロール出来ない時がある。その行為の先に待つものは不毛でしかないと、いつか気付く時が来ることをどこかで予感していながら、不安定な心を誰かに満たしてほしいと望んでしまう。その誰かは、自分が心から望む相手ではないかもしれないし、また望んではいけない相手であるかもしれない・・。正しいか、正しくないか、そのジャッジを最終的に下すのは他人ではない。自分自身なのだ。2017/09/11

ででんでん

95
描写が巧みで引き込まれるが、もの哀しさが根底にある。誰でも「せいぎのみかた」ではなくて、「ただしくないひと」の一面二面…もっと❓あると思う。もちろん自分も。でも、未成年の子どもが傍らにいるときは、いろいろあるけど大人は一生懸命明るいほうを向いて進む姿を見せて、子どももそちらに進んでいってくれるように願っていたいと思う。自分がそういうふうにできたかは全く自信がないけど。というようなことを思ってしまった1冊。他の作品も読んでみたい。2018/12/25

風眠

87
人は皆、自分の中にある正しさと、正しくない事の狭間で揺れ動いている。「こんな事は間違ってる」「このままで、いいはずがない」って、本当は分かっている。だけど分かりたくない認めたくない、自分の中にいる、いい人と、悪い人。否定も断罪もしきれない、そんな複雑で寂しい心を抱えた人たち。それを「ただしくないひと、」と表現した作家の繊細な言葉選びと、さまざまなニュアンスを含ませることができる日本語の妙というものの不思議さ。じわり、じわりと、胸に沁みていった。正しいだけの人なんて、いない。私も、ただしくないひと、だから。2018/05/25

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