内容説明
文学的香気あふれる小樽の青春時代、同世代ながら対照的な人生を生きた小林多喜二との比較、梶井基次郎ら若き文学者たちとの交流、フロイト、ジョイスへの傾倒、そして「チャタレイ裁判」、『女性に関する十二章』で一躍有名になった戦後―。主な作品はもとより、バーのマダムとの交情を記した未公開日記等を読み解き、文学史上に異彩を放つ作家のアイロニーに満ちた人生を描き出す、本格的評伝。
目次
1章 小樽のひとびと
2章 田園故郷を失ふ
3章 奸智と微笑
4章 “日本”といふ幻影
5章 戦後
6章 芸の理論と我執三部作