内容説明
本の見どころ勘どころを数行の言葉にきりりと絞る。手がけた書評1000篇。書評歴20年。書評エッセイの達人がおくる20世紀最後の10年のエッセンス99。知的な会話が楽しめるお薦めの1冊。
目次
1 本の年輪(飯田龍太の句歴;丸谷才一の文学史構想;谷沢永一の書誌学的思考;小西甚一の俳諧研究史 ほか)
2 傑作の秘密(ボールのなかの永遠と無限―平出隆『ベースボールの詩学』『白球礼讃』;田之助あわれ―南条範夫『三世沢村田之助』;驚異の博覧強記―荒俣宏『世界大博物図鑑』;文明批評家の冒険―山崎正和『ローマを見た』 ほか)
3 才能のカーニヴァル(野球という魔物―W・P・キンセラ『野球引込線』;追放された神々の末路―エリオット・アジノフ『エイトメン・アウト』;神話と前衛のあいだで―サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』;署名入りの紙幣―レイモンド・カーヴァー『ささやかだけれど、役にたつこと』 ほか)
著者等紹介
向井敏[ムカイサトシ]
1930年大阪生まれ。大阪大学文学部仏文科卒。文芸評論家・エッセイスト。著書に『書斎の旅人』(新潮社)、『本のなかの本』(毎日新聞社)、『読書遊記』(講談社)、『虹をつくる男たち』『文章読本』『表現とは何か』『海坂藩の侍たち』『司馬遼太郎の歳月』(いずれも文芸春秋)などがある
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
18
手がけた書評1000編、好みの本だけを20年。新境地の書評スタイルを開拓した著者のここ10年のエッセンス99。2001/03/05
飼い猫の名はサチコ
3
好きなジャンルの1つが書評本というか、本を紹介するエッセイ。それ自体が読み物として楽しい上、未知の魅力ある本との出会いの契機にもなり、一粒で二度美味しい。 紹介されていた、『ベストセラーの戦後史』(井上ひさし)を読んでみたいと思った。2022/10/14
ぽんぽこ
2
「これぞ書評」という名文がみっちり詰まった書評集。今ではあまりお目にかかれない作家のほか、村上春樹や和田誠など、現代っ子でも知っている「残る人」も多く紹介されているのがいいです。20年ほど前の本ですが、著者は先見の明があったのだろうと思います。前半は当時流行したであろう日本作家が中心で、後半は海外ミステリが多く紹介されています。ミステリマニアでも楽しめるラインナップだと思います。良き本でした。2022/06/14
philadelphiro
2
今から10年前くらいに出た書評本です。私は「池部良」の「そよ風ときにはつむじ風」という本に出会ったことから、この「残る本 残る人」に巡り会えたが、とても良い本だと思いますよ。2000年以前に出た本で今後も残っていく本ということで選ばれた選集なのですから、珠玉の本が選ばれているのは当然です。今ではアマゾンの古書から手に入れるしかない本も多いが、概して「安価」なので助かります。今後はもう手に入らないような、本当に楽しそうな本が一杯載っています。この本自体も「古書」としてか手に入らないけど、買って損はない。2014/01/16
hachiro86
0
書評かくあるべし2008/09/26