内容説明
船上という“密室”のなか、日本近代化の尖兵としての自負と熱気に蒸せ返る人々の間で起こる様々の軋轢。彼らが演出した日本初の陪審制度による裁判で、一体何が裁かれたのか? 書下ろし文芸作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホレイシア
6
船上での木戸孝允の演説がグッド。2008/01/03
さっと
5
岩倉使節団は、条約改正交渉のため、アメリカへ。本来、新政府の中枢にいるべき大久保利通、木戸孝允、伊藤博文ら要人を大挙して編成したあたり、文明開化を目指す政府の鼻息の荒さが見てとれよう。とはいえ、それも一面にすぎず、裏では、使節団要人と留守政府の薩長閥の垣根を越えた政争あり、団員同士には戊辰戦争で刃を交えた遺恨あり、洋行経験者と未経験者とで感情の対立があり、船内にはなんともいえぬ不穏な空気が。そんな中、前代未聞の船中裁判が幕を開ける。これは史実なのかフィクションなのか―正史を衝く鮮やかな一作!2013/04/12
たまご
2
なんかみんな仲が悪いですね….みんなねたんだりそねんだりくさったりする人が多い….そんな中で河添・川路は好漢です.…って,のちの警視総監?なんか混乱している? しかし,ためしに裁判するなんていけませんよ伊藤さん.ならば自分が裁かれるべきです. この本を読んでいて,身近にいる人が木戸さんににてるキャラだという事に気づき,愕然としました…石橋叩いて渡らない(下手すると壊す)とか.すごく残念な気分になってしまった…って,本の感想じゃない….2013/04/20
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