内容説明
「戦え!」という神の声がいつも聴こえていた。聖者のなかには、ちいさな悪魔がいた。非暴力運動の指導者、インド建国の父、マハトマ・ガンジー。多面的な実像に迫る長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
色々甚平
8
ガンジーに対する知識なんて非暴力とインド人程度にしかなかったのですが、宗教問題によって起こる暴力を解決しようとしたり、ある時は歩く道に花や草で道を作ってもらえたが、次は糞尿をぶちまけられたりという良い側面ばかりを持っている人物ではなかった。元々弁護士で生まれも裕福であった。風習に背くようなこともしたし、金持ちとの関係や、女関係もあった。しかし、彼は彼の軸だけはぶらつかせず生きたのだと感じた。母国ではヒーローのようだが、尊敬はするが行動にはうつさない(うつせない?)のだろう。2014/01/23
メルセ・ひすい
4
14-70 赤65 イスラーム教信者をムスリムの一言で表現すべきでない。南アでの活動、人種差別の表現、雰囲気が稚拙…調査、研究した書籍数が不足しているのでは英語の資料をもっともっと読むべき! 邦訳書では駄目 それからバングラディッシュと印度も勉強の要あり。対パキスタンだけでは弱い。。(`ε´)。なぜ、非暴力を貫けたのか。非暴力運動の指導者、インド建国の父、マハトマ・ガンジー。偉人でなく魔王と呼び、死者と対話しながら、その生きた道を辿る。人間ガンジーの多面的な実像に迫る2011/03/14
もじゃ
0
不思議な話だった。最後まで一気に通読してしまった。彼について私はほとんど何も知らなかったのだけど時代を追って進んでいくので普通に読めた。タイトルの意味がわかるようでわからない2012/06/22
hatchtiti
0
人間はどれだけの高みにたどり着けるか?著者のテーマは一貫している。2011/06/23
yearning for peace
0
インド独立の父として「バープー」で知られる偉人X。作者はその偉大な姿の陰に、魔王としての冷酷さや政治的な老獪さを感じ、その陰の部分を照射する。誘惑者メータブ、童婚と早熟な性への耽溺、アウト・カーストという烙印、母との約束と別離、大英帝国という支柱と矛盾、絶対禁欲と妻、サディズム、ロランとの平行線、バニアの駆引、断食という政治的曲芸、若い女性との同衾、背後にちらつく紡績産業など、Xに対し容赦なく追及する。「塩の行進」ぐらいしか知識がなくショッキングでしたが、Xと作者の対話はやや恣意的な匂いを感じました。2011/01/21




