出版社内容情報
どん底に堕ちてなお、私は諦めない――痛みを知る者こそがつかめた奇跡とは。世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る過酷な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。
【目次】
内容説明
世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、記者の長瀬一平と編集者の水野果耶。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語り始めた過酷な戦争体験は、思いがけない縁を掘り起こしてゆく。痛みを知る者こそがつかめた奇跡とは…。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、1993年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で柴田錬三郎賞、中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、2021年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
235
村山 由佳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者の新境地でしょうか、戦前戦後輪舞曲大河小説でした。著者の通常の作品よりも読み応えがありました。今年のBEST20候補です。 ロシア人のバレリーナには憧れがあります。 https://www.shinchosha.co.jp/book/339953/2026/04/21
さてさて
219
『名振付家、久我一臣』の下へと取材に訪れる長瀬と果邪。この作品には、そんな二人が久我から聞くことになった先の大戦、そして戦後も長く続いた『シベリア抑留』の陰惨な日々を赤裸々に記す物語が描かれていました。『バレエダンサー』という生き方のリアルを見るこの作品。戦争が終わった後も何年も続く『シベリア抑留』という信じがたい史実に心が掻きむしられるこの作品。複線で描かれていく物語を結末に向けて一つに紡ぎ上げていく村山由佳さん。そんな村山さんがこの物語に込められた思いの深さにどこまでも圧倒される素晴らしい作品でした。2026/02/26
いつでも母さん
159
バレエ?DANCERじゃなくてDANGER?読み始めは遅々として乗らずリタイアかと・・あら、あらら第五章に入り入院中の果耶の祖母・さかゑ登場辺り、いや、日ソ交戦辺りからどんどん進む。そして私の身体は怒りと憤りに覆われて無常感の涙が頬を伝った。沢山の久我氏がいただろう(戦地で散ったスポーツ選手もいた)沢山の翠や、さかゑもいたのだ。女と言うだけで帰国してからの過酷な現実は圧巻。村山作品のベストと言えるのじゃないだろうか(リタイアなんて言ってごめん)読みながら私はシベリア抑留から帰還の亡き父に思いを馳せた。2026/03/27
モルク
138
1995年バレエの振付師久我一臣にインタビューする記者の果那と一平。そして戦中を乗り越え更に過酷なシベリア抑留生活を送ってきた一臣と看護師たち。この二つを軸に進む。インパクトはやはり終戦間際でのロシアの参戦と暴挙、そしてシベリアでのことである。「ラーゲリより愛をこめて」や他の作品でシベリアでの抑留そして男性のみならず女性もいたことは知っていたが帰国後の彼女らの境遇を含めて憤りを感じる。とても重い作品であったが読みごたえあった。ただ一平の「…ス」「…ッス」という初対面の人や年長者にもする言葉づかいは嫌だな。2026/07/14
ウッディ
126
週刊誌と月刊誌で掲載するバレエの特集記事の取材のため、日本のバレエの創成期から活躍しているダンサーで振付師の久我一臣の元を訪れた一平と果耶は、バレエダンサーとして舞台に立つ直前で、召集され、上海、満州、シベリアでの苦難を知る。バレエに魅せられ、身体を鍛えぬいた芸術家であっても、巻き込まれてしまう戦争の理不尽さ、そんな中でも従軍看護婦との出会いと再会のドラマなど、読み応えがあった。戦争の中で、不要でちっぽけなバレエがあったからこそ、踊りたいという本能によって、地獄を生き抜くことができたのかもと思った。2026/07/23
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