出版社内容情報
90歳を迎えた料理研究家の結論とは。自らの闘病で得た食の大きさ、父の命を?いだ母直伝スープ──次世代へ伝える食すことの本義。
波乱万丈の人生90歳を迎え、料理研究家として辿りついた結論とは? 再起を危ぶまれた若き日の闘病を支えた日々の食の大きさ、戦争で実感した食べ足りないことの恐ろしさ、嚥下障害に陥った父に欠かせなかった母直伝のスープの尊さ……そして考え続けた「人はなぜ食すのか」という命題。料理と共に生きた半生を踏まえ、次世代へいのちをつなぐために伝えておきたい、「食べること」の本義。
内容説明
料理とは生命に向き合うこと、そして愛すること、慈しむこと。波乱万丈の人生90歳を迎えて辿りついた「食に就いて」の結論―。次の世代へ渡したい食べることの本義。特別収録対談・辰巳芳子×川瀬敏郎。
目次
母のパン・ド・カンパーニュ
私の出自
造船大監・辰巳一のこと
私に流れる「辰巳」の血
先生運のいい私
英霊・藤野義太郎
映画『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』のこと
アイスバインとコッパ
宇宙への挨拶から一日は始まる
外国人から一本取る法
特別収録対談 辰巳芳子×川瀬敏郎
学校給食を何とかしなきゃね
食に就いて
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくらさん
17
食に対しての考え方は、人それぞれ。だから面白い。 食べることは他のいのちとつながること。 なるほど。他は、もう少し掘り下げた意味を聞きたかったかな。2019/10/06
まろ
8
代々食に生きてる家系なんだとわかった。すごく哲学的で考える人なんだと思う。かっこいい90歳。「食べることによって個体の肉体は、分子レベルで日々印刷される」「他のいのちの分子をもらって代謝回転すること」p156.157最近すごく考えている生きる為に食べる。その言葉をこの本できけるなんて、すごく運命を感じた。2017/03/29
Hiroki Nishizumi
4
馬齢を重ねると、このように恵まれた環境を生かして活躍した人への興味が薄れてきた。もちろん立派なことには変わりないが、なにかしら他所事に過ぎないと思う。まぁ個人的問題なのだが。2020/11/11
まりちゃん
4
図書館本*題名に惹かれて読んだ。病苦に苦しむ父への介護食「いのちのスープ」に代表される家庭料理の大切さを雑誌、著作、テレビなどで伝えている料理研究家の本。すごく幸せなことに、料理上手な母親に育てられたおかげで私も料理が大好きで、食にすごく興味がある。辰巳さんのように本格的な勉強はしていないものの、食は本当に大事だと感じているので、すごく共感する部分があった。そもそも、食というものは呼吸と等しく、生命の仕組みに組み込まれているからこそ、人は食さねばならないのだ。もっと、食について掘り下げていきたいな。2015/08/14
まさちゃん
2
辰巳家の人々のことから始まり、その祖父と父の生き方のすごさ、そして母の料理に対する真摯な姿勢。職を大切にするところはそんなところにあったのかと思いました。芳子さん自身がかなりの年まで闘病など苦労をされたのちのことなので、人生50からまだまだなのだとつくづく思いました。2016/07/14