石の虚塔―発見と捏造、考古学に憑かれた男たち

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103362517
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

新発見の裏で巻き起こる学術論争、学閥抗争、誹謗中傷……岩宿遺跡から旧石器捏造事件まで、考古学に魅せられた者の天国と地獄。

岩宿遺跡から旧石器発掘捏造事件まで、石に魅せられた者たちの天国と地獄。「世紀の発見」と言われた岩宿遺跡を発掘した在野の研究家、相澤忠洋。「旧石器の神様」と呼ばれ、相澤を支えた気鋭の考古学者、芹沢長介。二人の歴史を塗り変える「新発見」に、巻き起こる学術論争、学閥抗争、誹謗中傷――彼らに続いた藤村新一の「神の手」は、学界を更なる迷宮に。日本のルーツを巡る考古学界の裏面史を壮大に描く。

内容説明

「世紀の発見」と言われた岩宿遺跡を発見した相澤忠洋。「旧石器の神様」と呼ばれた芹沢長介。気鋭の考古学者が挑んだ「日本人のルーツ」は、やがて「神の手」の異名を持つ藤村新一へ。歴史を塗り替えた新発見から旧石器発掘捏造事件まで、石に魅せられた者たちの天国と地獄。

目次

序章 オレたちの神様
第1章 岩宿の発見
第2章 人間・相澤忠洋
第3章 芹沢長介と登呂の鬼
第4章 前期旧石器狂騒
第5章 孤立する芹沢
第6章 暴かれる神の手
最終章 神々の黄昏

著者等紹介

上原善広[ウエハラヨシヒロ]
1973年、大阪府出身。大阪体育大学卒業後、ノンフィクションの取材・執筆を始める。2010年『日本の路地を旅する』(文藝春秋)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2012年、第18回雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

107
考古学に憑かれた男たちの物語である。 旧石器捏造事件を起こした藤村新一を軸に 考古学会の裏面史を描く。 相沢忠洋、芹沢長介など 著名な考古学の 面々の苦闘を追う。それにしても、考古学に おける名誉への執着は凄まじい。なぜ 捏造事件は起こったのか?この事件に 至るまでの考古学の歴史が興味深い。 あまり縁のない学術世界の凄まじい闘いの物語だった。2022/04/16

harass

61
日本考古学の主要人物たちの活躍と発掘捏造事件までを描くノンフィクション。皇国史観が消えた戦後になって日本考古学は陽の目をみることになった。若い学問であり、アマチュアが岩宿遺跡を発掘することでブームになったという。日本の悪いところが凝縮されたような世界だ。捏造事件の藤村に著者は事件後話を聞いているが事件のことは軽く流していて、他の本で読むことにする。あの捏造については疑問をあげた学者たちがいたが、嫌がらせや圧力があったそうた。素人目に見てもおかしい箇所があるのに。日本考古学の実像を描く良い読み物。2016/09/14

いちろく

41
2000年に発覚した旧石器捏造事件について、日本の考古学の歴史から描いたノンフィクション。当時、日本の歴史を揺るがす大事件として、ニュースや新聞を賑わせていた事を覚えている。学閥や関係者が歩んできた人生も事件の根底にあった事は理解できる。それでも、特定の人達によって日本の歴史が作られ掛けていた事実は変わらない。この本の印象だけで事件の全容を理解したとは言い切れないし、言うつもりもない。2019/06/02

おさむ

22
日本の考古学界の闇をあぶり出す力作。藤村新一による石器捏造は、属人的な理由だけでなく、学界の構造的な背景がもたらしたものだったんですね。岩宿遺跡から続く学者達の確執にアマチュア発掘マニアが絡み、泥沼に。そういえば、STAP細胞の捏造なんてのも昨年有りました。どの学界も同じ穴のムジナなのかもしれません。2015/03/01

ぐうぐう

18
旧石器発掘捏造事件を検証しながらも、本書がユニークなのは、そもそもその事件を書くつもりで著者が取材を始めたわけではなかったことだ。著者の興味は、アマチュアの考古学研究者・相澤忠洋と、相澤を支援し続けた考古学者・芹沢長介との関係にあった。気鋭の二人に考古学の理想を見い出そうとしながらも、著者の(つまりは相澤と芹沢の)行き着く先に、藤村新一という怪物が待ち構えていた。それは、考古学界の根深い闇がもたらせたものだ。(つづく)2015/02/26

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