出版社内容情報
死刑囚、田中幸乃。その女が犯した最大の罪は何だ? なぜそいつは彼女を最後まで信じることができたのか? 衝撃指数限界値。圧巻!
「整形シンデレラ」とよばれた確定死刑囚、田中幸乃。その女が犯した最大の罪は、何だ? 殺されたのは三人だった。幸乃の元恋人だった男の妻とまだ一歳の双子の姉妹。なぜあの夜、火は放たれたのか? たったひとり、最後まで味方であり続けようとする男。なぜ彼は、幸乃を信じることができるのか? すべてを知らされたときあなたは、真実を受け入れることができるだろうか? 衝撃指数極大値。圧倒的長編。
内容説明
放火によって奪われたのは、元恋人の妻とまだ1歳の双子の命。確定死刑囚、田中幸乃の人生は、「不運」と「悪意」が支配していた。「暴力」と「裏切り」も加勢する。だから、なのか?ひとりの男だけが、味方であり続ける。なぜ彼は、彼女を最後まで信じようとしたのか?「整形シンデレラ」とよばれた鬼女。彼女が犯した「罪」、その死刑囚が犯した最大の罪とは?衝撃指数極大値。先入観を紛砕する圧倒的長編。
著者等紹介
早見和真[ハヤミカズマサ]
1977年、神奈川県生まれ。大学在学中より、ライターとして活躍。2008年、『ひゃくはち』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yunemo
411
なんだかやりきれない気持ちのまま読了。生きたいという微かな衝動を、死にたいという強い願いで封じ込める。本当に必要としてくれる人に見捨てられるのが恐い。実在の場で、こんな思いを貫き通す人間っているんでしょうか。感情の奥底では誰しも相応に持つ意識でしょうが、自身にはとてもとても貫き通せない。これだけは確信。死刑という制度、冤罪を生む土壌、報道という名の真実隠ぺい・世論誘導化等々、なんだか自身へ深い問題提起をされてるような。人生上、狂わされた歯車を正常に戻す機能はどこにあるんでしょう。まだ30歳なのに。2014/10/04
青乃108号
341
また、死刑判決絡みの本。意識して選んだ訳ではなく、たまたま続いただけなのだが。読んでいる間、没頭し過ぎてしまい気が付いたら俺の休日の1日が終わってしまっていた。ひりひりする程辛い物語だった。被告の生い立ちから現在までが時代毎、異なる人物の視点で描かれ、その全てに救いのない展開に打ちのめされる。終盤、微かな望みをかけて、祈るように、最後の数ページを捲るのが怖かった。長いこと生きてきたが、本を読んでこの様な感覚は初めて味わった。被告田中幸乃を心から愛しく思う。人生最後にもう一度読むのはこの本かも知れない。2021/10/09
mmts(マミタス)
247
何故に見ず知らずの犯人のために、わざわざ死刑になる道筋を選択するのかしら。よっぽど死にたかったんでしょうね。そんな気持ちに向き合えない友人の気持ちは分かりますが、さすがに早急に説得するべきだったような。真犯人のお祖母ちゃん、あんなに宗教熱心ならば、いかに死ぬ必要のない人間が死刑になれば、どれほど神に背くことなのか分かるような。そりゃあ、誰だって佐渡山さんみたいにわざと発作を起こすでしょうね。この時に根性を見せる幸乃が切ないよ。小説とは言えどショックでした。2015/06/25
takaC
202
この国の司法はそこまで無様なのか。現実はまるでこの通りなのかもしれない。捉え方によっては無理矢理ハッピーエンドと思い込むことができなくもない書き方をしているところに少々フィクション感あり。2015/02/12
🐾Yoko Omoto🐾
171
早見作品初読み。物語は主人公の田中幸乃の死刑判決から始まり、何故求刑されるまでに至ったのかが、彼女の人生に関わった人物たちの現在と、過去の回想によって綴られる。常に風評によって形成されてきた彼女の人生、ただ誰かから必要とされたいだけの思いに報いてくれない周囲の人々。「薄幸」という言葉が頭を掠める。苛立ちと興味で、読むスピードが上がるようなストーリーではあったが、幸乃が今まで選択してきた道、彼女の人生に登場した人物たちの、身勝手な保身やどこかズレた正義感、その全てにまるで共感できるところがなかった。2016/09/14
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