「地震予知」の幻想―地震学者たちが語る反省と限界

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103360919
  • NDC分類 453.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「現状の科学レベルではそもそも困難」──学者らの意とは逆に、なぜ予知への期待は膨らむ一方なのか。地震学、混迷の現状を追う。

将来、日本列島に必ず起きる大型地震。果たして、その予知はできるのか? 日本の地震学者たちはなぜ、3・11を予知できなかったのか? 「現状の科学レベルではとても困難」「そもそも予知が可能とは言ってない」── 学者らの本音とは逆に、来るべき大型地震に備え、政府や国民の予知への期待は膨らむ。災害大国でもあるわが国の地震対策は、どこでボタンを掛け間違えたのか。地震学、混迷の現状を追う。

内容説明

地震学者たちはなぜ、3・11を予知できなかったのか?混迷する地震学の現状を追う!!

目次

第1章 3・11が地震学者にもたらしたもの
第2章 地震学者と「予知」
第3章 原発と地震学者
第4章 過去の記録は将来の予言である
第5章 起こるべき地震に備えて
第6章 次代を担う地震学者たち

著者等紹介

黒沢大陸[クロサワタイリク]
朝日新聞編集委員兼科学医療部次長。1963年長野県生まれ。1991年、朝日新聞入社。科学部や社会部で国内外の災害現場の取材や、選挙、鉄道、気象庁、内閣府、文部科学省担当などを経験。2012年から編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

55
新聞やテレビなどのキャッチーな見出しや短い説明文だけでは多くを語れない、情報をしっかりと見極めることが大切ですね。著者は朝日新聞編集委員の黒沢大陸氏。朝日新聞で2012年10月から掲載された「ニッポン人脈記 大地に聞く」をきっかけに、それまでに取材した地震や防災行政の記事をもとにまとめた一冊。「予知」と「予測」の違いは?、3・11の前後で地震学は何が変わったのか?、東海地震の問題点とは何か?、首都直下型地震の切迫度は?など掲載。2023/10/03

禿童子

8
著者の黒田さんが理系(火山学)の科学記者だからか、非常にまとめるのがうまくてサクサク読めた。3.11以後の地震学の動向を知るのに好適な本。地球物理学と地質学の学者同士の横の連絡の悪さ。さらに両者に共通する理学と工学の仲の悪さが際立っている。「地震学」の実力の低さと、世間が求める「予知」の困難さのギャップが印象的。東北大の松澤教授の真摯な反省の弁も、時間が経過するにつれて忘れられるのではないかと危惧される。原子力規制庁委員・島崎邦彦の福島第一の津浪水位予測15.7mの「成果が生かされなかった」発言は重い。2016/05/20

こばこ

3
東日本大震災後を中心に、地震学(地球物理学・地質学的側面の両方)の動きを詳述した本。ある意味「第三者的」で「一般より」な新聞記者からの視点で学界が語られるとこうなるのかと。その多面性、分析力はさすが、といったところ。この本で語られているジレンマは3年経った今も当然継続していて、なんとかなってほしいものだなと感じさせられる。2017/06/24

Humbaba

2
地震を完全に予知することは現代の技術では不可能である。ただし、それは将来においても不可能であるということの証明ではない。期待を煽らなければ研究のための資金を得られないが、下手に期待を煽れば誤解を招く。そうならないようにするためにも、自分たちの状態を正確に伝えるべく努力が必要である。2014/09/19

Shinsuke Mutsukura

2
既得権・・・?.2014/10/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8204312
  • ご注意事項

最近チェックした商品