出版社内容情報
もう悩まなくていい。躁鬱病と診断され、気分の浮き沈みの激しさに苦しんでいた僕がみつけた、誰でもできるラクに愉快に生きる技術。
内容説明
躁鬱病の人が生きていくためには、他の人とはちょっと違う技術が必要です。コツは「自分のために」やることです。
目次
躁鬱病が治らないのは体質だから
心が柔らかい躁鬱人のための返事の術
「居心地悪いなぁ」と感じたらすぐ立ち去る
資質に合わない努力を避けるための吐露の術
「今から作り話をします」と前置きして話そう
「自分とはなにか?」ではなく、「今なにがしたい?」と聞いてみる
鬱の奥義・一の巻 鬱のときに「好奇心がない」と嘆く理由
鬱の奥義・二の巻 心臓と肺だけがあなたをラクにする
鬱の奥義・三の巻 自己否定文にはカギカッコをつけろ
トイレを増やせば、自殺はなくなります
人の意見で行動を変えないこと
孤独を保ち、いろんな人と適当に付き合おう
躁鬱超人への道
実例:躁鬱人の仕事の歴史(坂口恭平の場合)
最終講義:それぞれのあなたへ
著者等紹介
坂口恭平[サカグチキョウヘイ]
1978年、熊本県生まれ。2001年、早稲田大学理工学部卒業。作家、建築家、絵描き、音楽家、「いのっちの電話」相談員など多彩な顔を持ち、いずれの活動も国内外で高く評価される。『幻年時代』(幻冬舎文庫/熊日出版文化賞受賞)ほか著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
114
偉人、神田橋條治をソクラテスに、天才恭平がプラトンとなって、気分の波を整え、楽に生きる方法を分かりやすく説く。誰が読んでもどこかしら参考になる言葉がある筈。例えば私は案外自分が人に褒められたくて生きてると気づけた。ただし、恭平さんはただの躁鬱ではなくwithADHDだし、そもそも芸術家なのでなんの創作もできない我々には真似はできない。神田橋先生の言葉は初めて聞くと世界が変わって見えるぐらい力があるが(多分どの精神科医も一度ははまる)、ずっと聞き続けてるとおや?と思うところも出てきます。参考にはなった。2021/07/05
まあか
69
躁鬱病と診断され、かれこれ12年。やばい躁とやばい鬱を経験済み。どん底まで落ちた私の人生だったが、ここ2.3年は非常に安定している。もう病気ってことすら、忘れかけている。たまたま見つけて読んでみたが、読み始めるなり、泣いた。あ〜私のことや!めっちゃわかってくれてる、って思って、泣いた。今まで読んだ本は、とにかく「病気」であることを強く意識させられたけど、この本を読んだら肩の力が、抜けた。病気じゃなくて、体質!とにかく自分自身に疲れ果てる日々やけど、そんな自分の体質を受け入れて、うまく付き合っていきます!2022/06/26
harass
63
noteに連載されていたものを書籍化したもの。躁鬱病で悩んできた著者が、同じように苦しむ人に語る対策と体験を描く。「病気ではなく、体質である」と著者。前向きにこの病気を捉え直そうとしている。躁状態のときの苦しみやその反動の鬱状態についてを言語化している。著者が大学卒業後どうやって生きてきたか、収入を得てきたかも書かれている。なんとかなるものなのだなと。自分は躁鬱病ではないか、メンタルヘルスの参考として勉強になった。良書。2022/12/10
ネギっ子gen
54
主要テキストは【神田橋語録】。知る人ぞ知る、精神療法の達人・神田橋條治先生。著者は、この先生の躁鬱病に関する文章を読むことで、<励まされ、そして長かった鬱から抜け出し、しかも躁状態に入るのではなく、なんだかポカポカと体が暖かくなった>と。そこで、<本当は神田橋さんに躁鬱病についての軽いエッセイを書いてほしい>くらいだが、<勝手に神田橋さんを躁鬱病についてのソクラテスに見立てて、彼の言葉をプラトンであるところの僕が解釈し、それを皆で共有すること>を目指した本大学を開設した、と。さあ、講義の始まりです!⇒2023/02/05
こばまり
48
なるほど躁鬱を病ではなく体質と捉え、適切なセルフケアに努めてくれれば、本人も周囲の者も前向きに過ごせそうである。日頃からTwitterで注目していたが著作は初めて。第14章に記されたプロフィルに釘づけ。才人だしハンサムだしもっと読んでみようと思いマス。2021/12/18