モッキングバードのいる町

モッキングバードのいる町

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103351016
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

180
第82回(1979年)芥川賞。 アメリカ東部で暮らす圭子の日々を描く。 24年にわたり、異国で暮らす圭子の心情が きめ細かく描かれる。 戦後 米国軍人と結婚した 日本女性たちの 複雑な望郷の念が 素直に伝わる、そんな本だった。2017/10/27

absinthe

163
20年以上にもわたって母国語が通じない土地で暮らす、この不便さと寂しさ。新しい土地が第二の祖国と思えず、同郷の日本人の中でも何か疎外感を感じている。戦争花嫁にインディアン。題名のモッキングバードはマネシツグミ?物まねして歌うことが出来る鳥らしい。日本人として舐められないよう、と焦って背伸びし続けて、自分を見失いかけていた。望郷の念が謡われたネイティブアメリカンのお祭りに主人公は何を想ったのだろう。2022/05/06

kaizen@名古屋de朝活読書会

102
【芥川賞】mocking bird, スズメ目マネシツグミ科34種の16種。ツグミに似ている。mockは真似。有名な映画「To Kill a Mockingbird」(アラバマ物語)の資料によれば、mockingbirdは罪のない弱い人間を指す。インディアンのことであり、戦争花嫁の日本人妻のことであり、種のないスウの夫のことなのだろうか。do nothingが罪の無いことであるようで、何もしないことが罪なのかもしれない。2014/03/21

大粒まろん

20
よく出来ていると思った。落ち着いた表現とこれまでの人生を振り返った時の一抹の後悔や不安な感情が伝わる文章だった。主人公の圭子は結婚でアメリカに移住してから、24年日本へは帰っていない。子供2人を育て上げ、巣立たせ。夫の求める妻であり母でありを粛々とこなした。その自分と周囲の人々の変化と向き合う時、自分の居場所はここで良かったのかという思いが、インディアン(ネイティブアメリカン)と呼ばれる人たちの存在と呼応する様に描かれている。よく纏まっているが、丁寧な表現が少し落ち着きすぎているとも思った。2023/09/11

めだいさる

4
表題作は第82回(1979年下半期)芥川賞受賞作。 国際結婚で海外に住む日本人女性が主人公の70年代受賞作には『ベティさんの庭』があるが、こちらの方が断然好きだ。 民族の風習を嫌うネイティブアメリカンの青年が登場することで物語の深みが増している。 2025/07/10

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