出版社内容情報
ストリップ鑑賞のおやつから憧れの高級フレンチまで。胃袋のソウルメイト二人が共にした11の食事と心模様を綴る、風味絶佳エッセイ
内容説明
悩みごとはとりあえず、食べてから話そう。“胃袋のソウルメイト”に巡り合った人気作家とカリスマ書店員。共に囲んだ11の食卓を舞台に人生の味わいまで鮮やかに描き出す美味絶佳のWエッセイ集。
目次
歌舞伎町ストリップ編
銀座パフェめぐり編
神楽坂逃亡編
両国スーパー銭湯編
高田馬場茶藝編
ステイホーム編
福井・芦原温泉編
京都・最後の晩餐編
神保町上京編
著者等紹介
新井見枝香[アライミエカ]
1980年東京生まれ。書店員として文芸書の魅力を伝えるイベントや仕掛けを積極的に行い、中でも芥川・直木賞と同日に発表される一人選考の文学賞「新井賞」は読書家の注目の的となっている。20年からはストリップの踊り子として各地の舞台に立ち、三足のわらじを履く日々を送っている
千早茜[チハヤアカネ]
1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。同作は09年に第37回泉鏡花文学賞も受賞した。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞を、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
112
裏表紙に描かれた2匹の猫。はて、この絵にはどんな意味があるのかしらと読み始めれば、冒頭に著者のお二人の言葉が。千早茜さんは「餌場が同じ野良猫……非常に胃が合う」。一方の新井見枝香さんは「モンプチでも猫まんまでも同じ勢いで頭を突っ込む猫……いい匂いがすれば見境がない」と。ストリップ鑑賞のおやつ、銀座パフェめぐり、コロナ禍に交わすご馳走便、人生を変えた日の中国茶....胃が合う友と囲む食はそれぞれが好きなように食べて、会話が適当になっても気にしない。野良猫の食事っぽい。そんな関係が面白くて、羨ましい。2022/06/12
Ikutan
95
千早さんの旺盛な食欲は知っていたけれど、いやぁ、新井さんの食べっぷりはそれ以上ですね。大雑把でマイペースな"新井どん"こと新井さん。神経が細やかで、こだわりがあって、メモ魔の"ちはやん"こと千早さん。性格は真逆だけど、美味しく食べることへの熱い思いは共通。パフェ巡りやストリップ観賞、スーパー銭湯。色々体験しつつそれぞれの思いを綴る。まあ、本当によく食べる!その食べっぷりには惚れ惚れ。何よりふたりの関係が凄く素敵で、羨ましい。新井どんが踊り子になってしまったのはびっくりだったな。檸檬さんのイラストも楽しい。2021/12/01
いたろう
89
千早さんのエッセイと思って手に取ったが、共著者である、カリスマ書店員でエッセイストの新井見枝香さんのことは、全然知らなかった。友人同士である千早さんと新井さんが、同じ題材で交互に書く、食に関する「胃の合うふたり」のエッセイだが、二人の食べっぷりのよいこと。そしてエッセイは、食に関することにとどまらず、二人の交遊関係、私生活に及んでいく。このエッセイの連載が進むうちに、千早さんは、京都から東京に引っ越しをし、新井さんは、ストリップ好きが高じて、アラフォーでストリッパー・デビューをしてしまう。何ともびっくり。2022/01/15
りぃぃ
87
食の好みが合う人はいるけど、胃が合うって少ないかも!!性格が全く違うふたりが、さりげなく気遣いあいながら、貪欲に食べることを楽しんでいて羨ましい✨こんな友達欲しいな~2022/05/21
sayuri
84
「ちはやん」「新井どん」と互いを呼び合う新井見枝香さんと千早茜さん。胃袋のソウルメイトとも言える二人が、共に囲んだ11の食卓を往復書簡の様な形で綴ったエッセイ集。作家業一本に専念する千早さんと、書店員と踊り子とエッセイストを兼任する新井さん。繊細な千早さんと大らかな新井さん。知れば知る程、真逆な二人。でもいざ食を前にすると一気に心地良い空気が流れる。付かず離れずの程よい距離感。けれど互いの事はいつも頭の中にあって、思い遣りの気持ちがそれと分からないように感じられる。二人の関係性と食への弛まぬ貪欲さは憧れ。2021/12/22