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工場

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103336419
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

何を作っているのかわからない巨大な工場。敷地に棲む、謎の動物達。労働と生活の不条理を途方もなく奇妙な想像力で乗り越える三篇。

何を作っているのかわからない、巨大な工場。敷地には謎の動物たちが棲んでいる――。不可思議な工場での日々を三人の従業員の視点から語る新潮新人賞受賞作のほか、熱帯魚飼育に没頭する大金持ちの息子とその若い妻を描く「ディスカス忌」、心身の失調の末に様々な虫を幻視する女性会社員の物語「いこぼれのむし」を収録。働くこと、生きることの不安と不条理を、とてつもなく奇妙で自由な想像力で乗り越える三つの物語。

内容説明

不可思議な工場での日々を三人の従業員がそれぞれに語る表題作(新潮新人賞受賞)のほか、熱帯魚飼育に没頭する大金持ちの息子とその若い妻を描く「ディスカス忌」、心身の失調の末に様々な虫を幻視する女性会社員の物語「いこぼれのむし」を収録。働くこと、生きることの不安と不条理を、とてつもなく奇妙な想像力で乗り越える全三篇。

著者等紹介

小山田浩子[オヤマダヒロコ]
1983年広島生まれ。2010年「工場」で新潮新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiro

148
織田作之助賞受賞を知り、図書館で予約したが、その後小山田さんが芥川賞候補になり、話題の作家の作品を今読めてよかった。読み始めて、会話文でも改行されず、ぎっしり書かれた各ページをみてびっくりした。正直読みにくかった。表題作は、やりがいもない重責もない仕事をする、正・契約・派遣社員の3人が主人公達の、雇用格差の中の人間関係を描いた不条理お仕事小説。途中10頁以上続く‘工場の中の生き物の研究’は笑う。また、苔の話からは小川洋子さんの不条理小説『原稿零枚日記』を思い出した。次は芥川賞候補作の『穴』を是非読みたい。2014/01/05

とら

107
純文学で心から面白いと感じたのは久しぶり。純文学って頁数が少ないことが多いから、一単語一文を噛み締める様に読むのが常なのだが(理解出来ない確率高し)この本に関しては、本当に理解出来ないと気が済まなかったのでいちいち分からない単語を調べた程である。でもその一つのヌートリアに関しては、調べた矢先、読み進めたらもの凄い分かりやすい説明が描かれていたので悔しかった笑 三篇目は奇妙と言うより気持ち悪さの方が強く、虫の描写は背中に怖気が走った。でもそれよりも、何時まで経っても字が汚い…と言う話の方が怖かったのは内緒。2014/03/04

ガクガク

98
新潮新人賞受賞の表題作他、『ディスカス忌』『いこぼれのむし』を収録。表題作は何を作っているのかわからない一つの町のような巨大な工場で働く三人の従業員の視点で「人間社会の不安と不条理」が描かれる。この工場では目的が失われている。何のために働かされているのか、そもそも一体何を作っているのかさえ明らかにされない。また「灰色ヌートリア」「洗濯機トカゲ」「工場ウ」といった得体の知れない不思議な生き物が生息しているのだ。そこで働く人間の将来の姿が話のポイントか。途切れない文章が工場の独特の世界観をより一層鮮明にする。2014/05/29

なゆ

88
ずっと気になってた本。こういう、リアルそうで自由で想像力を膨らませてくれる作品って楽しい。何を作っているのかも分からない、とてつもなく巨大な工場に働くという事。配属された部署の存在意義すらもよくわからなくなっている茫洋さ。敷地内には固有種の生物まで生息するという閉ざされ感。そしてページにみっちりと詰め込まれた活字が、読み進むのを阻もうとしているような意地悪さ。思った以上に読むのに時間がかかったけど、なんだか活字と格闘したかのような気分。3篇収録してあるが、どれもいい。本書が初の著書という事で、今後楽しみ!2013/12/06

Tsuyoshi

80
初めての作家さん。特に表題作の「工場」においては一つの街のような巨大な工場に働く社員3人の日常が描かれているのだが、時系列もバラバラだったり最後まで謎につつまれた部分が多く、かなりモヤモヤさせられた。他2作品も不思議な世界観だが、表題作に比べれば分かりやすく楽しめた。2018/02/26

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