出版社内容情報
「ぐだぐだ悩みながら、ぐるぐる世界を回ってる」――自らを「競走馬」に喩える、世界中から依頼が殺到する建築家の疾走の日々とは?
世界中から依頼が殺到する建築家、隈研吾。悩みつつも疾走する日々とは? 話題の歌舞伎座建て替えは、アメリカでの発見や東京での挫折、地方での本領発揮、怒濤のコンペ参加など紆余曲折を経ての集大成。ぐだぐだ悩みながら、ぐるぐる世界を回ってる――年始から6ヶ国を世界一周チケットで回り、地球のいたる所で打ち合わせを重ねる生活。自らを「競走馬」に喩え、挑戦し続ける建築家の生の姿がここにある。
内容説明
「制約を自由に変える」仕事術とユニークな自伝的建築論がここに!東京、パリ、北京の各事務所を往復し、世界一周チケットを手に地球のいたる所で打ち合わせを重ねる生活。自らを「競走馬」に喩え、過去の悩みを糧にしながら挑戦し続ける生の姿が一冊に。
目次
第1章 世界を駆け回る
第2章 歌舞伎座という挑戦
第3章 20世紀の建築
第4章 反・20世紀
第5章 災害と建築
第6章 弱い建築
著者等紹介
隈研吾[クマケンゴ]
1954年、神奈川県横浜生まれ。1979年東京大学大学院建築学科修了。コロンビア大学客員研究員、慶應義塾大学教授を経て、2009年より東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
44
プレゼンテーションからプレゼンテーションへと駆け回る隈研吾が、建築について熱く語っている。都市や建築に関わる人の考え方までが、「とにかくリスクを取らない、取りたくない」サラリーマン的なマーケティング主義に染まり、建築のデザインもどんどん保守化してしまったという。戦後から今に至るまでの日本の「私の家」をめぐる幻想は、住宅ローンによって一生を会社にしばられるサラリーマンと、家に閉じ込められた専業主婦を生み出した。コンクリート建築というのは、仮設住宅のようなものという指摘も面白い。2014/08/31
ビイーン
34
「隈研吾氏ってこういう考えの建築家だったのか」と氏の仕事に対する姿勢や思想を理解させてくれる本だった。「何かが生まれるプロセスを、真剣な思いの人たちと共有する楽しみの方が、はるかに上です。中略。楽しい状態をまず作らないと、その先の完成度は期待できないのです」なるほど、考えさせられる。2018/12/24
しーふぉ
25
隈研吾の講義を受けているようで面白かった。竹や木材、石材などを素材として用いる理由の一つに前世代のコンクリート打ちっ放し信仰に対するアンチテーゼの意味合いがあるみたいです。学生時代に安藤忠雄の事務所を訪れ、本人から代表作を案内された思い出など、本人ならではの内容です。竹の家は行けないにしても、石の美術館などは行ってみたいな。2017/08/24
夜長月🌙
22
隈研吾さんはもふたまさんに教えてもらった建築家。太宰府のスタバ、銀座の歌舞伎座などが有名です。しまなみ海道の亀老山展望台も作りがとてもユニーク。最高の形で景色を見せてくれます。おすすめします。建築家の務めは設計だけでなく、何十年も施主といい関係を築くことだとか。広重美術館、木橋ミュージアムもいつか見てみたい。2015/09/03
kochanosuke
21
休日だからこそのノンストップで読了。高名な建築家の書く文章なのに、少しも抽象的でなく格好つけたところもなくて、共感できたし楽しめた。2013/08/11