出版社内容情報
外科医時田利平が作った東京三田の外科病院を舞台に、太平洋戦争を乗り越え昭和を生き抜いた一族の波瀾の人生を描く自伝的大河小説。
日本版「戦争と平和」であり、昭和史の克明な記録でもある、自伝的大河小説。貧しい家から身を起こして海軍軍医になり、やがて一代にして東京三田に大外科病院を作りあげた外科医時田利平。昭和10年代から太平洋戦争をへて戦後の復興の時期にわたる時代、一時は炎都となった東京を舞台に、彼とその一族三代それぞれの波瀾の生涯をドラマチックに描く長編。著者のライフワークを、全七冊セット函で。
目次
1 夏の海辺
2 岐路
3 小暗い森
4 涙の谷
5 迷宮
6 炎都
7 異郷・雨の冥府
著者等紹介
加賀乙彦[カガオトヒコ]
1929(昭和4)年、東京生まれ。東京大学医学部卒業。1957年から60年にかけてフランスに留学、パリ大学サンタンヌ病院と北仏サンヴナン病院に勤務した。犯罪心理学・精神医学の権威でもある。著書に『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)、『宣告』(日本文学大賞)、『湿原』(大佛次郎賞)など多数。『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞、続編である『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hirofumi Yada
2
ハードカバー全7巻定価29,700円のセットが勤務先の図書館に納本されたのをコレ幸いと読みました。二・二六事件から終戦までを背景に、医院経営をする時田利平とその家族・縁戚・医院職員の思惑が交差する大長編小説。レビュー字数制限内に要約なんて、とてもできない。 現代物の大河ドラマや山崎豊子の長編を好きな方には超おすすめ。高価なので、図書館で見つけたら是非借りて読んでください。 SNSやコメント欄で芸能人・政治家の不倫や不祥事に対して、正義を振りかざした批判コメントを発信する方は読まないほうがいいと思います。
ひたき
0
戦前・中・後の物語なので戦争の時代を生きてきたかのように揺さぶられる。 文庫7冊の長編を初めて読んだが登場人物の個性とそれぞれの語りで紡いでゆき面白いので読めてしまった。 物語に深く関わる複数の不倫については男性作家の書いたものなので女性読者の感想を聞きたい。 東京の三田や新宿伊勢丹辺りの当時の地理が書かれているので、大松寺などをgoogle マップで当たりをつけながら読み、昔散歩した自分の記憶と照らし合わせて実感の助けとした。 1巻の巻末の著者対談は、最終7巻まで読み終わってから読むと良いかも。 2025/06/08
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