日本の身体

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103300137
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

使えば使うほど発見がある、私たちの身体──漫画、茶の湯から大相撲、マタギまで、その運用の達人の魅力を聞き出す、思考の挑戦!

使うほどに発見がある、私たちの身体――運用の達人12人との、名物対談集! 漫画、茶の湯、文楽からラグビー、大相撲、マタギまで、自らも能楽と合気道に親しむ著者が、日本独自の身体運用の達人たちと語り合い、それぞれの魅力を引き出す対話集。“身体の使い方は集団的に決定されており、日本人には固有の技法がある。が、そこには合理的な理由がある”―― 著者渾身の原稿「日本の身体仮説」も必読!

内容説明

日本人には固有の身体技法がある。使うほどに発見がある、私達のからだ。運用の達人、12人との名物対談集!

目次

千宗屋 茶道家―五感全てを差し出し、その洗練を問う
安田登 能楽師―張り詰めた沈黙、「コミ」で意志を通じ合わせる
桐竹勘十郎 文楽人形遣い―虚の中心である「人形の体感」に同調する
井上雄彦 漫画家―武道の本質を示した、「描かれた武道書」
多田宏 合気道家―命の力の高め方、保ち方、使い方の訓練法
池上六朗 治療者―「一瞬前とは違う状態を作り出す」ことで治す
鶴澤寛也 女流義太夫―伴奏ではない、人物の内面や情景を描写する音
中村明一 尺八奏者―静穏なまま、大量の呼気を瞬時にオペレートする
安倍季昌 雅楽演奏家―「陛下」の祭祀の傍らに侍す、二九代目の楽師
松田哲博 元大相撲力士―稽古の基本は身体の機能が目覚める「しこ」
工藤光治 マタギ―人だけのものではない山から恵を授かって生きる
平尾剛 スポーツ教育学者―人間としての成熟が「愛情あるパス」をつなげる

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950(昭和25)年、東京都生まれ。東京大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学文学部総合文化学科教授を2011年3月に退官。専門は現代フランス思想、比較文化論だが、ユダヤ人問題から、文学、教育まで幅広いテーマへの発言が注目されている。また合気道をはじめとする武道を実践、体が語る知についても考察を続ける。『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞2010、著作活動全般に対して第3回伊丹十三賞を受賞。神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

44
鬱に陥った内田センセイは自分の身体感覚(五感)に立ち戻ることで鬱抜けできた、といいます。この本は茶道、能楽、合気道、相撲から尺八、雅楽、能楽、文楽まで日本古来の伝統を受け継ぐ専門家12人との対談集。同期や共感という身体的感覚が日本人のDNAとして私たちにも内在しており、それが生きるうえでのエナジーになることを教えてくれます。2017/03/16

Y

42
色んな分野の達人との対談に接して、その度に自分でも思わなかった方面へと関心を持ったけれど、特に一番興味を惹いたのが雅楽の安倍季昌さんのお話だった。新嘗祭に至っては天皇陛下は夕方の6時から深夜の1時ぐらいまでお祀りをされると知り驚愕した。日本の伝統文化についての理解を深めたいと思った。2014/08/08

壱萬弐仟縁

32
内田氏:武術はプリミティブなコミュニケーション技術。他の身体と共振し、体感を送ったり送られたり するかという、共生技術(56頁)。大量の息を、無音で瞬時に吸い、吐く、名前のない呼吸法(162頁 ~)。グローバリゼーションの本質は、度量衡の統一(241頁)。規格と画一化。 人間の本質:自由な生き方。正解のない多様な生き方を選ぶ(255頁)。なのに、現政権は国民の 自由を奪う方向にあるのは甚だ遺憾。 2015/05/06

さきん

31
日本人はどういう身体を作っていたのか、伝統芸能や武道に関わる方々との対談を通して語る。時々神秘な方向に議論が走ったり、非論理的な話が展開してしまうキライがあるが、言語化するのが、難しい分野にあえて挑んでいると思って読んでいる。2017/12/10

ふう

30
能楽師も文楽の人形遣いも、いやいや、どの人からも、日本人の身体の動きの根幹にあるものの確かな手触りが感じられて、非常に興味深く読んだ。すごく納得できたのは大相撲力士。ちょっと知ってるスポーツマンの筋肉がムキムキではなくふんわり柔らかくて不思議だったのが、もしかしたら双葉山に通じる点があったのか、と20年越しに分かった気がした。あとがきの、森の国、というのも目から鱗。いずれ再読したい。2023/02/09

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