内容説明
下城の太鼓が鳴ると、いち早く仕事を片づけて、いそいそと家路を急ぐ井口清兵衛。人呼んで“たそがれ清兵衛”が、かつて師をもしのぐと言われた剣の遣い手だったことを記憶している者はほとんどいない。藩内を二派に分ける争いのなかでも、清兵衛は病弱の妻とふたり、ひっそりと生きようとするが…。表題作など連作8編収録。
目次
たそがれ清兵衛
うらなり与右衛門
ごますり甚内
ど忘れ万六
だんまり弥助
かが泣き半平
日和見与次郎
祝い人助八
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろし
3
蝉しぐれが良かったので、読んでみました。映画化されているということで、長編と期待していたらまさかの短編。さくさく読めて、分かりにくい昔の職業(役職?)なんかも少しずつわかりました。この時代、男のものさしとして最後は剣(力)だろうし、最初からそれをひけらかさないのがいいよね。かっこよかったです。2014/08/23
ミノカサゴ134
1
久しぶりの藤沢周平さん、どの短編も良かったです!自分が好きな音楽を聴いたとか小説を読み終わったあと、極上のお酒🥃を飲ませもらったような気分になることがあるのですが、これもその一冊でした。「たそがれ清兵衛」はもちろん良かったけど、その他の短編も、それぞれの主人公の特異なキャラクターに味があり、淡々とした文章に渋いユーモアがあり、時々男女の機微の切なさも描かれていて奥が深いな、と。読み終わったいまは、「祝い人助八」がいちばん良かった、と思っています(時間が経って再読すると変わるかもしれないけど ^_^)2024/04/21
さざなみ
0
短編小説が嫌いなので長い間読もうとしなかったのに読んでみたくなったのは先日の東北旅行の影響かな。 藤沢修平を避けては通れないところへ行ってきたので、図書館で借りてきたが、やはり短編小説は読みごたえがない。8編入っているがはじめの3小説だけを読んで、あとは省略。 山田洋次監督の映画の方が面白いと思う。2013/07/26
ジャズクラ本
0
○2015/09/01