出版社内容情報
たった1人と、一度だけ――死者との再会を仲介する使者(ツナグ)・歩美のもとを訪れた4人が秘める悲しいヒミツ。喪われた想いの行方を描く渾身の連作長編ミステリ!
内容説明
突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でも―喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。―4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。09年『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』で直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
778
文庫で初読し、文芸書で再読。彼岸と此岸を隔てるものについて思う。 彼岸から、様々なものを問いかけられている気がする。日々の時間の中、亡くなった人達からの問いかける眼差しを感じるときがあり、少し、居心地が悪くなる。今の私は、彼らに対峙できる生き方ができていないのだと思う。2013/01/21
takaC
579
恐れ入ったよ辻村深月。こんな発想どこから湧いてくるんだろうか。天賦の才ってやつですか。本物の gifted なんだね。2011/12/04
美紀ちゃん
551
涙が出た。良かった。私が死んだ時には、誰か会いにきてくれるのだろうか?と考えた。用事があって、と言うのではなく、会いたくて何かを伝えたくてというのが良い。これは人に薦めたい本。2012/08/13
ヒロ@いつも心に太陽を!
538
初・辻村作品。図書館に新刊があるのは珍しいと気まぐれに手にした一冊。なので内容の予備知識は何もなかったが、読み出してすぐの『ぼくが使者(ツナグ)です』という歩美の台詞に一瞬にして興味をひかれる。2回続けて読むほど気に入ったが、中でも「長男の心得」と「親友の心得」のエピソードがとても印象深く、もし本当に死者と会えるなら自分は誰に会いたいと思うだろうか、死者ともう一度会えることは果たしていいことなのだろうか、会えたからといって満足いく結果ばかりではないだろうと私も思う、などとぐるぐると考えながら読む。(続)2011/01/12
ダイ@2019.11.2~一時休止
510
涙モノが多い中でも特筆すべき一作。辻村作品では珍しく、他作品との相関もないので読む順番を気にしなくても読めます。2013/12/15