出版社内容情報
『檀』『血の味』『凍』『キャパの十字架』。旅をし、人と出会い、別れを重ねた25年。移動する精神の輝きを綴る、エッセイの精髄。
沢木 耕太郎[サワキ コウタロウ]
著・文・その他
内容説明
移動する精神、25年を束ねる全エッセイ。
目次
第1部 鏡としての旅人―歩く(ペルノーの一滴;買物ブギ ほか)
第2部 過ぎた季節―見る(少年ジョー、青年ジョー;「石」の並びの物語 ほか)
第3部 キャラヴァンは進む―書く(檀の響き;ハイパントは謳えるか ほか)
第4部 いのちの記憶―暮らす(勝負あり;まだ、諦めない ほか)
第5部 深い海の底に―別れる(冬のひばり;熱を浴びる ほか)
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年東京生れ。横浜国立大学経済学部卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年に『一瞬の夏』で新田次郎文学賞。その後も『深夜特急』や『檀』など今も読み継がれる名作を次々に発表し、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を、2014年に『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
170
沢木 耕太郎は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。直近25年の全エッセイ集、旅やスポーツのエッセイは、当然鉄板ですが、オススメは、深い海の底に旅立った高倉 健へ贈る著者の最後のメッセージです。大学の大先輩であることと背が高いこと以外、私とまったく正反対の生き方だと思います。新卒で入社した会社の初出勤当日に辞表を出すなんて、格好良過ぎでした。2018/10/25
KAZOO
126
沢木さんの久しぶりのエッセイ集です。三冊目の全エッセイ集で25年ぶりの出版だそうです。ただやはりこれだけ時間をおくとすべてを網羅することはできないようで、書物関係のエッセイ集は別に出るようです。楽しみです。この本では5部に分かれて「歩く」「見る」「書く」「暮らす「別れる」という分野に分けています。いつも読んでいるとこの筆者の作品は非常に読みやすくその場面が浮かんでくるイメージを与えてくれます。とくにスポーツ関連の作品は得意とするところなのでしょう。また読んでいて短篇の小説を読まされている感じを受けることも2018/11/18
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
89
(2025-29)【図書館本-23】沢木さんの過去のエッセイをまとめたもの。やはり旅とスポーツに関する話が多い。若い頃に読んだ「深夜特急」はほんとに面白かった。沢木さんによると旅には「夢見た旅」と「余儀ない旅」があると言う。うーむ、確かにそうだなぁ。会社の出張なんてまさに「余儀ない旅」だ。やっぱりできれば「夢見た旅」を楽しみたいねえ。山野井夫妻との偶然の出会いから、あの名作「凍」が生まれたことを初めて知りました。今回単行本で読みましたが、こうした本は旅先で文庫本で読むのがいいかもしれませんね。★★★+2025/02/28
どんぐり
86
〈歩く〉〈見る〉〈書く〉〈暮らす〉〈別れる〉からなるエッセイ。2018年の刊行で、初出は1994年から2015年。「私にとっての旅は、目的地ではなく、そこに至る過程の中にこそあった」というように、沢木がさまざまな人と出会い、つながり、夜空の銀河を渡るように点描している。モハメッド・アリやカシアス内藤のプロボクサーとの出会いもあれば、井上康生が柔道で敗退した2004年のアテネオリンピックなどの話も出てくる。→2025/03/26
NAO
79
「鏡としての旅人 歩く」「過ぎた季節 見る」「キャラバンは進む 書く」「いのちの記憶 暮らす」「深い海の底に 別れる」の五部からなり、それぞれに9~19のエッセイが収められている25年分のエッセイ。中でも、「キャラバンは進む 書く」が一番印象に強く残った。作者の書くことへのこだわりのようなものが強く感じられて、この作者はなんと潔く、かっこいい人なのだろうと思わずにはいられなかった。「いのちの記憶 暮らす」もよかった。2019/07/26