出版社内容情報
今の日本に必要なのは「始末におえない」リーダーではなく、欲を捨てた「始末に困る」人である。ユーモアをまじえ鋭く本質を突く名コラム集、第二弾!
内容説明
西郷南洲(隆盛)は幕臣・山岡鉄舟を、私欲を捨てた「始末に困る人」と評した。「この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」。一方、現代を見渡せば、政治家をはじめ「始末におえない」輩ばかり。今こそ必要なのは「始末に困る」人なのだ―。独自のユーモアと慧眼で事の本質を鋭く突く。
目次
第1章 人生は無常かつ無情(サヨナラだけが人生だ;日本代表はなぜ勝てないのか ほか)
第2章 お人好しが損をする(大学の美観;変節 ほか)
第3章 近代日本の宿痾(日本の宿痾;プロとアマ ほか)
第4章 人間の幸福は富ではない(国民が育てる;ビリー・バンバン ほか)
第5章 世界が感嘆する日本の底力(日本の底力;花見へ出よう ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aloha0307
16
シリアスな論点を平易にかみ砕いて語ってくれる 藤原先生。数学者なのに、少々アナログな、優しい感性の文章が好きだ。愛読の週刊新潮連載のessayが本になっていたとは知らなんだ。直近は漱石の”夢十夜”から、彫刻家:運慶のはなしに感服した。「古き日本精神を忘れ借り物の文明に酔う 明治 には偉大な芸術家は出ない」 明治 を 現代にも置換可能ですね...2017/11/03
hanagon44
7
数学者という枠にとどまらず,すそ野の広い教養と知性とバランス感覚で,物事の表層で誤魔化されがちな部分を浮き彫りにし衝撃を与えつつ,ユーモアでカラッと仕上げているコラム集第2弾。切り口が刺激的なのに,ご家族との楽しい掛け合いや確信的な勘違いモテ男きどりのオチが可愛らしく感じられて,スルスルと読み進めてしまいます。軽妙だけれど,骨太な感じで,こういうバランス感覚に憧れます。2016/04/03
yama1000
3
何が問題なのか、そして進むべき方向は。平易な文章で誰にでもわかるように、ユーモアを交えて語ってくれる。着眼点は独自で鋭い。2020/07/27
Yuko
3
藤原正彦・・・何故か好きです。2013/04/17
hideboo
3
相変わらず切れ味の鋭い文章でありながら、クスッと笑わせることも忘れず、実に完成度の高いコラムだと思います。頭の良い人の思考回路や構造がどうなっているのか興味津々です。藤原さんの文章をまとめて読む幸せを感じました。2011/12/04