アニバーサリー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 314p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103259237
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

子どもは育つ。こんな、終わりかけた世界でも。戦前生まれの晶子と若いカメラマンの真菜、二つの人生が震災の夜に交差する感動長編。

子どもは育つ。こんな、終わりかけた世界でも。七十代にして現役、マタニティスイミング教師の晶子。家族愛から遠ざかって育ち、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。全く違う人生が震災の夜に交差したなら、それは二人の記念日になる。食べる、働く、育てる、生きぬく――戦前から現代まで、女性たちの生きかたを丹念に追うことで、大切なものを教えてくれる感動長編。

内容説明

産む、育てる、食べる、生き抜く。その意味は、3月11日に変わってしまった。75歳でいまだ現役、マタニティスイミング講師の晶子。家族愛から遠ざかり、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。人生が震災の夜に交差したなら、それは二人にとって記念日になる。

著者等紹介

窪美澄[クボミスミ]
1965(昭和40)年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。その後フリーの編集ライターを経て、2009(平成21)年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞、デビュー。受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』は本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また2011年、同書で山本周五郎賞を受賞。2012年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風眠

240
75歳のマタニティスイミング講師・晶子と、有名料理研究家の娘・真菜の目線を通して、戦前、戦後、そして現代を生きる女性の葛藤が描かれる。戦争で何もかも失い、そこから世の中は少しずつ便利になった。豊かさを得たと同時に何かを失くした現代。機能不全家族が増え、寂しさは複雑さを増していく。そして東日本大震災で原発が爆発した。劇的に前向きにはならない、けれど少しずつ前に進もうとする女性達の心の動きがリアルに胸に迫る。「信号が青に変わる。終わっていく世界を」シングルマザーとなった真菜が歩き出すラストシーンが力強い。2014/01/01

ダイ@2019.11.2~一時休止

232
おせっかいなマタニティスイミング講師と孤独なカメラマンの妊婦の物語。震災が二人の記念日になり、終わりもイイ感じで面白かった。2016/02/06

ひめありす@灯れ松明の火

183
アニバーサリーは日本語に訳するといい意味にとられることが多い。誕生日や結婚記念日、お店の開店祝いなんかで使われることが多い。だけど同時に忌日。祥月命日だってアニバーサリーに成るんだ。どちらも記念日。何かが終わって、そして何かが生まれた日。大勢の命が失われ、犠牲となったその日。新しい命が生まれ、沢山の人が新しい一歩を踏み出したその日。それは二つは二つで一つの、ただの一日なのかもしれない。空に向かってブランコ漕ぐように、毎日はプラスとマイナスの振れ幅を、それでも日常から飛び出さないようにしながら、生きていく。2014/01/19

文庫フリーク@灯れ松明の火

176
P309「おれはおまえを尊敬しているよ」この一言にどれほど晶子は報われたことだろう。出産も育児も子育ての苦労も知らぬ身では、せめて夫・遼平のような感謝を表せる人間でありたい。この物語は著者と同年代の女性、もしくは晶子か真菜と同年代の女性が、きつい痛みと共に深く味わえるだろう。そしてあの日‐3月11日妊娠していた女性・子供を持つ母親全ての心‐直接被災はしなくとも、真菜と同じ不安に駆られた女性はどれほどいたことだろう。そこまで思い至らなかった自分の鈍感さを刺されたような。昭和10年生まれの晶子と→続く2013/04/16

おしゃべりメガネ

175
久しぶりの窪さん作品で、予想以上に引き込まれて読了でした。戦前から時を経て、3.11東日本大震災、そして現在へとつづられる壮大な「女性の生きざま」に打ちのめされました。様々な友情の在り方、恋愛、結婚そして出産、悲しい別れ、そして生命の始まりと終りなど、あらゆる時代においても時の流れの中でどうしても抗うことのできない人生での出来事を一つ一つ本当に丁寧に感情が溢れんばかりに書かれています。女性が子を生み育てていく大変さ、一方で一人で生きていくたくましさは本当にドラマチックでした。女性の「生き様バイブル」です。2014/01/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6449346
  • ご注意事項

最近チェックした商品