「死の医学」への序章

「死の医学」への序章

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  • サイズ B6判/ページ数 267p
  • 商品コード 9784103223085
  • NDC分類 490.4

内容説明

かけがえのない人生の終末の瞬間は、病院の一室に閉じこめられ、「死」は日常から切り離されようとしている。より深き生の充足のためにもっと「死」を想いたい、語りあいたい―。命の刻む音を聴きながら自らの死をみつめ、記録して逝った精神科医西川喜作の模索のあとを辿りつつ思考する「死の医学」。

目次

それでもリンゴの樹を植える
眼差しは昇る太陽よりも照らして
苦悩する病者の声を聞く心
2年をこゆる生をつなぎて
菩提樹の一葉に命をみつめて
成熟の最後のステージ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里季

64
さすが文章力の確かな作者の手になるものは、美しく正しい日本語が簡潔に頭と心に入っていく。癌に倒れた一人の精神科医の告知後の生き様を辿ったノンフィクション。これがかかれた80年代はがん治療は進んでいるもののまだ今のような新しい薬や治療法はなかったであろう。私自身、がん治療に関しては、実父の亡くなった94年、夫の亡くなった2006年、そして自分の胃を切除した2015年と、およそ10年ごとの様相を肌で感じてきた。死を考えることは生を考えることという一文が心に残る。人は生きてきたように死んでいく。2017/05/07

kawa

29
1990年刊・マイ書棚埋没本。81年にぼうこう癌が原因で亡くなった国立千葉病院精神科医・西川喜作氏の闘病を縦糸、当時の癌治療や様々な患者の様子等を横糸に紡ぐノンフィクション。医師の立場からの癌治療の問題点指摘がなまなましい。30年前の「4人に1人がガンで死亡」が今や「2人に1人」の時代。患者不在の治療体制等、本書で指摘されている数々の問題点の最新状況もフォローしていきたいものだが、死を意識することの反射として、いまという瞬間の「生」を濃密に意識せざるを得ない点は、今も昔も変わらない真実と言えるのだろう。2024/03/07

くれの

3
ガンの告知により死が明確となった医師に残された時間の克明な記録です。医学的にはタブー視される死を積極的に明らかにすることで生を輝かしくした彼の業績は新たな医学史を開拓し、多くの患者に光明を与えたように思います。2014/08/23

030314

1
約30年前に発行された本。図書館で廃棄処分になっていたのから拾ってきた。正に、今読みたかった本。西川医師は、生活の質を重んじ、過剰診療を慎むことや、自宅看取りを医学部学生へ講義の中で言っていたそうだが、今だに、というか、益々、一般のお医者さん達は臓器ばかりみているし、患者の顔も見ずにPCの中のデータばかり気にしている。30年経ってもこんなものなんだね、と改めて思う。2023/11/20

nobinobi

1
精神神経科医である西川医師の闘病日記をもとに書かれた本。自らの病状を詳細に書いていく一方で、自らの内面の変化についても記載されている。死を意識することで、一日一日の大切さが身にしみてわかるようになる、というのが印象的であった。2016/09/18

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