絶筆

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  • サイズ B6判/ページ数 379p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103166108
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

最後の無頼派のラストメッセージ、緊急刊行。病に倒れてから12年間書き続け、急逝の数時間前まで取り組んだ公開日記とエッセイ選。

内容説明

倒れてもなお、書き続けた12年!警世と洒脱、憂国と遊び心、無常と励ましに満ちたラスト・メッセージ。荷風が死の前日まで『断腸亭日乗』を綴り続けたように、脳梗塞で倒れた後のノサカもまた日記という作品に魂を傾注していった。急逝のほんの数時間前まで―。揺れ動く時代が滲む最晩年のエッセイ選を附す。

目次

惑いつつ追う楕円のボール―2004年
病んで後、レギュラー―2005年
だまし庵日記 2007~2008年
だまし庵日記 2009年
だまし庵日記 2010年
だまし庵日記 2011年
だまし庵日記 2012~2014年
だまし庵日記 2015年

著者等紹介

野坂昭如[ノサカアキユキ]
1930‐2015。早大第一文学部仏文科中退。「火垂るの墓」(直木賞)「同心円」(吉川英治文学賞)「文壇」(泉鏡花文学賞)などの小説家、「我が闘争 こけつまろびつ闇を撃つ」(講談社エッセイ賞)などのコラムニスト、「おもちゃのチャチャチャ」(日本レコード大賞童謡賞)などの作詞家、歌手、元参議院議員、衆議院選挙新潟三区立候補者、伝永井荷風作「四畳半襖の下張」を雑誌に掲載した編集長(わいせつ文書販売で有罪判決)、討論番組やCMに出演するテレビタレント等々、多面的な活躍で知られた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

154
かつて元気な姿をTVで観ていた。好きな事を云う方だなぁと。田中角栄に対抗して同じ選挙区から立候補して散る。四畳半襖の下張り』で裁判になり敗訴。『黒の舟唄』は好きな歌だ。作品は『火垂るの墓』しか知らない。脳梗塞で倒れてからのエッセイ。この方はシャイで繊細な方だ。そして、生きていること思考がすべてあの戦争に繋がっているのだなぁと感じた。妹さんを亡くした事。敗戦からの日本を語る方がまた一人鬼籍へ。あちらで妹さんと会えただろうか・・合掌2017/01/19

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

56
病に倒れて以来、書き続けた「日記」。死の数時間前まで書いていたという。そのことを知って読み始めたので、読み終えてしまうのが怖いようなさびしい気持ちで少しずつ読んだ。自分の意志で自由にならない自分の体。毎日のリハビリ。奥様や飼い猫たちとの微笑ましい日々。新聞やニュースで知る、この国のことを憂う日々。自分のことを嘘吐きだと言う野坂さん。それでも、日本を思う心。後に残される若い人たちのことを思う心。戦争に対する気持ちには嘘は無かった。2017/03/07

ophiuchi

20
「この国に、戦前がひたひたと迫っていることは確かだろう。」野坂昭如が亡くなった日に残した最後の言葉。2003年に脳梗塞で倒れて以降に書かれた日記、エッセイが収められていて、初期のものに原発への懸念が語られるなど、予言になっていることも多い(最後の一文がそうならなければ良いのだが)。農業やエネルギー、安保政策などへの批判は、ほとんど自分とシンクロしている。合掌。2016/03/10

勝浩1958

15
野坂氏の頭から離れなかったのは8月15日と6月5日、終戦の日と神戸大空襲の日。ここに氏の思想の原点があると思います。戦争と飢餓を最も恐れ、再び起こることがないよう死ぬ間際まで主張し続けていました。晩年は政治に対しては、期待していないように見受けられましたが、「世間が強いリーダーシップを求める時代はよくない。」「強力なリーダーを必要とする世の中は不幸だが、政治不信の世もまた不幸である。」と警句を発せられています。あの世からも我々の愚行を嘲笑って、鋭い批評を投げかけているものと想像いたします。合掌。2016/03/15

よしひろ

11
表現者としての生き様が見える。毎日を克明に記録する。その観察眼や考え方には惹きつけるものがある。何かを創作する人間にとって、毎日が刺激に溢れ、学びの連続であるような毎日を送らないといけないと思った。日記で綴られており、生活が手に取るように分かる。2016/03/10

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