出版社内容情報
美食を楽しんでいたおれは、一夜にして「車椅子の文豪」になってしまった。二〇二四年三月二十三日。数々の傑作話題作を著した八十九歳の作家は、老いと戯れながら、愛妻や仕事仲間と美食を楽しみ、『百年の孤独』等現代文学を論じて倦まずにいたが、この日自宅で転倒して車椅子の生活となった――。しかし不敵きわまる作家魂でその日々を赤裸かつ挑発的に描き続けた空前絶後の老文豪リアルライフ!
【目次】
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
げんなり
2
飄々とした、どこかとてつもなく冷静な語り口はやはりそれだけで文豪たる所以かと思う。人間、筒井康隆を知る訳ではないけど、作家としての著者を長い沢山の間作品の中に読み続けて来て、本作の中で語られるさらりとした、けれども強く胸に迫るような文に出会うと自分の人生すら重ねるようにして、ああ、何を言ってるのやら、とにかく長い間、楽しい読書を出来たものだと感謝の気持ちしかない。 日々の覚書のような体裁で美食日記が綴られるのだけど、その豪華さの裏に加齢や身体の不調やらが見えてくる。そして唐突な終わり。小説のように読む。2026/04/25
selva
1
とてもじゃないが(経済的に)真似のできない美食の連発の中、ほんの少しだけ日々の生活が垣間見える。心臓疾患、怪我からの施設入所、ファンとしてはこの辺りをもっと事細かに知りたいのだが、連載の趣旨じゃないか。光子さんの写真がうれしい。2026/04/26
うぼん
0
「波」に連載されていたこの「老耄美食日記」のことは、自伝に紹介してあったのでいずれまとめて読めるとは思っていた。毎夜の豪華な美食の披瀝は一部ファンの顰蹙を買っているかもという著者本人の呟きも含めて、マルコ・フェレーリの「最後の晩餐」あたりを軽く意識した身体を張ってのやけっぱちユーモアだったのかな。愛息逝去後の夫婦のリアルな光景、KINOKUNIYAの行き帰りに虚しさを吐露する場面は強烈で、「川のほとり」にリンクする筒井さん特有の私小説にもなっている。僕はコニー・ウィリスの「航路」を思い出してハッとした。2026/04/23
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- RUN+TRAIL Vol.50




