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内容説明
デンマーク4人、ノルウェー3人、スウェーデン4人、アイスランド3人、フィンランド4人―。青年の孤独と女性への憧れ、性の解放と人間の解放、濃密なエロスの世界、神の不在と魂の希求、戦争の深い傷痕、厳しい自然のなかの狩漁や漁撈の生活…ノーベル賞受賞作家をふくむ傑作集。巻末に編者による「現代北欧文学の概観と解説」を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trash
2
ラーゲルクヴィストの作品(「地獄へ下るエレベーター」)目当てで、『巫女』や『バラバ』ほど力強さを感じられない小品だけど、この作品もラーゲルクヴィストの宗教観?みたいなのを感じられてよかった。あまり日本の小説でテーマにされない(自分が読んでないだけかも)宗教や国家やらを扱った作品たち(ドリム・ウィルムセン「里子」、トリニイ・リンドグレン「みことば」)がよかった。2014/01/05
すむるとろん
2
どういう基準で作家を選択しているのか意図は伺えないが、北欧5カ国の様々なタイプの短編小説をまとめて読める点では貴重な1冊。とはいえ、スウェーデンの比重が少なすぎやしませんか?ダーゲルマンの"Att döda ett barn"は、訳が悪く、原文の良さが伝わらないと感じた。正直言うとスウェーデンはあまり惹かれない作品選択だったのが残念。国別で言えば、アイスランドの3作がシュール過ぎて飛び抜けて強烈な印象を残す。デンマークも好みの作品が多かった。尚更もうちょっとスウェーデン充実させてほしかったなぁ…2013/10/22
拙者
1
北欧5カ国の現代文学をまとめたもの。北欧文学というもののイメージを掴むべく読んでみたが、正直あまり親切な構成ではなかった。(25年以上前の本ということもあるし、巻末の編者の解説もとっつきにくい印象だった。)ただ、これほど北欧作品を揃えた本は他にないようで、時間を置いて再読してみたいとも思った。寓話的な話が多く感じたが、それでいて根にあるテーマは複雑さをはらんでいるようにも感じた。『あらしの夜』『子供を死なせる』『ほら、例のあの奴さん』『地獄へ下るエレベーター』あたりが気に入った。2014/02/23