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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
53
ハラルド美髪王への臣従を嫌い、自由を求めてアイスランドに入植した人々の歴史や事跡を語る「アイスランド人のサガ」5篇とニーベルンゲン伝説を扱った『ヴォルスングサガ』を収録。印象的なのは前者で、氏族や友人の確執と血の報復、その連鎖を語る血生臭いドラマに魅せられたのはもちろん、結婚や宗教、民会、訴訟、決闘、遠征(ヴァイキング行)など当時のアイスランドの人々の生活や風習を垣間見る楽しさもありました。四度の結婚を予言され、最も愛した男を殺すことになるグズルーンの運命を語る『ラックサー谷の人々のサガ』がとても好き。2020/01/15
ワッピー
4
バトルアックス・ハードボイルド。どのサガも好きだけれど、「ラックサー谷のサガ」で3人に対して9名の刺客が待ち伏せする有様をみて名前すら明らかにされていない一牧童が「(3人のほうに)加勢しよう。この大難を逸らすことができたら命冥加につきるものだ」と発言するあたり、当時の人々の生きる価値観を彷彿とさせました。もっともその主人はこの牧童よりも「漢」ではなかったようで、高みの見物をすることになってしまったのですが・・
ronny
3
アイスランドを舞台にしたサガの中でも、特に質・量ともに圧巻の六編が収められたとても読みごたえのあるサガ作品集。厳しい気候・環境の中での人々の暮らし、社会の構築、土俗の古い宗教からキリスト教への布教・改宗を迫られていく様子など、興味深い部分がたくさん見受けられました。20年前に買ってずっと積ん読状態のままになっていたのを、今年の9月から読み始めて3カ月かかってやっと読み終わりました。個人的にはニーベルングの指環のモチーフにもなった「ヴォルスンガサガ」が好きです。2010/12/08
algae
2
有名な6つのサガから成り、上下二段組で800P越えという圧倒的な(物理)量をほこる本書。読むのに費やした時間から考えるに一般的な文庫本3000P分ぐらいの物量かな。中身は「移民の歌」の歌詞をイメージしてもらうとすごーくわかりやすい。ヴィンランド(アメリカ大陸)はでてこないけどね。当たりまえのように海賊行為を働いたり、氏族同士で血で血を洗う殺し合いをしたりと、とってもとってもヴァイキングしてるなーと思いました。2016/11/12
すいれん
1
血生臭い話を読みたくて読み始めたのに、見事に食傷(笑)読み終えるのに2週間かかりました。淡々と語られる物語にとりつかれそうになりながらもなんとか読了。単純な男と、性格の悪い女が物語を複雑にするのね(^_^;)長らく絶版、復刊求む。2014/06/04