内容説明
二十世紀音楽に偉大な足跡を残し、世界中の音楽愛好者に惜しまれつつ逝去した、作曲家・武満徹。その洗練の極みを尽くした美意識と峻厳な批評精神を余すことなく示した最後のテクストを纒める。
目次
人間への眼を欠くヴィデオ時代の映画
第2回芥川音楽賞を審査して
夏から秋へ 音楽の収穫
カザルスホール・クワルテットのラヴェルを聴く
翼をもった希望―ジョセフ・コーネル展を観る
仏映画に不思議な懐かしさ―『めぐり逢う朝』を観る
映画音楽 音を削る大切さ
テレビと感性の鈍磨
「創造」としての蒐集
川喜多和子さんの突然の死に〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
4
最晩年のエッセイ集。身構えて読んだがわかりやすい。無限の時間のなかで耳をそばだてて、「聴く者が、そこに、それぞれの精神の地図を見出し、それによって、未知の(精神的)旅へ赴くことを可能にする」音の庭を拓くこと……これは音楽家の仕事でありながら、もっと直截に、詩人の仕事でもある。ここに書かれていることは僕が数年前に氏の音楽を聴いたときに得た感興となんら矛盾しないものであって、その一事をとっても信ずるに足る。あらためて作品に向き合ってみたいと思わされた。2010/08/16
ヤヤネヒロコ
1
今になって思うのは、この方の言葉を学生時代に読んだ、というのはとても大きかったなあ、ということ。耳の鍛え方がたりなくて、音楽のほうはやっと聴けるようになったかも、という按配なのだけれど。2012/01/06
モアイ乙
0
武満徹すき
Auristela
0
情報収集という不遜な読み方をしてしまった。。けど、まだまだ知るべきことはある。2013/03/29
やまもと
0
武満徹さんの、音楽の捉え方は、音楽への悩みを解決してくれるものでした。2021/08/14