内容説明
〈尾張のうつけ殿〉織田信長は、舅斎藤道三の戦略と政治力を受け継ぎ、強烈な個性で歴史や伝統を打ち破りつつ天下統一にむけて突き進んでゆく。その夢の実現間近にして、無念、明智光秀に本能寺で攻め殺されるまでの野性味溢れる人間像を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さと
83
「終わった」これが実感。虚しさや寂寥感が漂う。光秀の悲運の方が印象強いからかもしれない。後編は織田信長 とあるが、彼との対比により光秀という人物が強く際立ち、彼の苦悩に私までも苦しくなる。最後の最後まで不器用で孤独だった光秀への司馬氏の格別の愛さえ感じた。文献を紐解き、史実を並べるだけでなく、今を生きる者として、かの時代を生きた者への尊敬と憧れのようなものが滲み出てくる。司馬氏の作品が多くに愛される理由はそこにもあるのか。2019/12/12
GaGa
42
どうして前編は表紙が載っているのに、後編は無いのだろう。不思議だ…ともあれ、道三の死、道三の後継者信長の活躍、そして明智光秀の生涯。名作と言っていい小説!明智が没落した後、浪人となった光秀が思うことが何よりも好き。「諸葛孔明、文天祥をみよ。その名、そのものが、格調の高い響きをもっているではないか。男と生まれた以上、そういう生涯をもつべきだ」ある意味そういう生涯であったのかも。2011/01/20
カマボコ
15
やっと読み終わったぁー。後編は織田信長と明智光秀の2人が主人公なので、深堀感が少々物足りなく感じるが、散々取り扱われているテーマだし、前編の斎藤道三が強烈過ぎたせいだろう。時折挿入される司馬さんの豆知識もいい。悪名高いけど斎藤道三が好きになった。後書きを読むと、司馬さんは当初「道三」のみを書くつもりだったが、編集部から延長を希望されたらしい。それにしても戦国の世で三人の主役が滅んでも徳川幕府まで生き残った細川藤孝(幽斎)の知略はすごいな。2020/02/01
ランラン
9
後編は前編と違って光秀からの視点で話が展開されている。昔の大河ドラマでの配役は絶妙で、信長=高橋秀樹、光秀=近藤正臣、道三=平幹二朗と今では考えられない重鎮な顔ぶれ。それぞれを思い浮かべながら、各武将の心の内を読み解き想像しながら読むことができました。2016/05/29
湯一郎(ゆいちろ)
8
読むのにだいぶ時間がかかったけど、とてもとても面白かった。道三から信長への譲状は全然知らなかったので驚いた。こんなことした人は空前絶後なのでは。その後は光秀と信長の様子が交互に描かれる。信長は合理的で実証主義で言葉が少なく神仏を全く信じない。光秀は知的で慎重で権威と神仏を重んじる。強烈な対比をなす道三の相弟子たち。正反対と言っていい。前半の流浪の光秀も、後半の苦悩の光秀もよい。細川藤孝との出会いはまさかの妖怪退治話だし、剣豪将軍義輝の死に様は圧巻だし、義昭の陰謀好きも面白い。2018/06/10
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