内容説明
生きて、愛して、死んだ―。激動の時代につかの間の輝きを放った女たちがいた。「歴史」の陰に眠る女たちの鮮烈な生涯を描く。
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月、東京に生れる。学習院大学文学部哲学科卒業後、63年から68年にかけて、イタリアに遊びつつ学んだ。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくみ、一年に一作のペースで執筆中。93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞
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感想・レビュー
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鐵太郎
7
読んだのは1975年版のハードカバーですのでここに書いていいのかな? 暗黒の中世の時代の9人の女性の物語なのですが、すべて存在したらしいけれど詳細な記録はない人たち。こんな記録があるのだからこうだったのかもしれない、という発想で暖かい目で作り上げたフィクションの人たち、といったらいいのか。最後の「女法王ジョヴァンナ」は、ドナ・W・クロスの「女教皇ヨハンナ」よりはるかにそれらしい感じがするのは塩野ファンだからなのかも?(笑)2016/10/24
AliNorah
3
中世の名もない女性の恋愛。短編で読みやすい。女教皇ジョアンナは以前別の小説で読み、とっても面白かった記憶のみ残り内容は覚えていなかった。塩野さんの文章でも読めて興味深かった。2013/03/20
めぐみこ
1
扱っているエピソードは濃いが文章は淡白。読みやすくて良い。しかしグランドロマンみたいなの予想して手に取った人は肩すかしかも?2011/05/08
calaf
1
歴史に埋もれてしまいそうな(でも記録が残って完全には埋もれてしまってはいない)人物の話をまとめた短編集2008/01/19
本とフルート
0
もちろん脚色は加えられているのだろうが、それでも史料を基にしているとは信じがたいほど、ロマンチックな物語がたくさんあった。事実は小説よりも奇なりという言葉を初めて実感した気がする。2020/07/19