内容説明
これは、日本の友人へ送る手紙です。『ローマ人の物語』の著者が贈る、発想を転換するための65章。日本の政治家への提言からサッカーの話題まで、知的刺激満載のエッセイ集。
目次
ローマに住むこと
なぜローマ史を?
社会に入っていく「資格」
サミット再考
石油、このむずかしき課題
難民問題
文化と経済
ないものねだり、はやめましょう
武器としての言論
「有事」的頭脳〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
13
これは、1994年~1999年にかけて『フォーサイト』に連載されていたエッセイを集めたもの。この時期は、まさしく筆者が大作『ローマ人の物語』のシリーズを執筆していた当時だ。内容的には、史実を踏まえた上で、それを綿密に考証し、さらに想像力を働かせて書く、そういう歴史小説家として、身はローマの地にありながら、遠く日本の現状を、時には憂えたり、また時には、ローマの施政に鑑みてかくあるべしと激励したりといったもの。時事性が強いので、ややインパクトは弱くなったものの、ローマ時代も今も変わらない普遍性もあるようだ。2012/07/05
tama
11
図書館本 たまたま書架で見つけて 一番ショッキングな文章は⇒「息子を、英語を話すサルにだけはしたくなかったので・・外国語という道具を手にする前に、1.哲学、歴史で代表される一般教養で育成される人格形成 2.自らの言に責任を持つ習慣 3.完璧な母国語の習得 をさせた」「TOEFLならば600点以上軽くとれるこの種のサルが跋扈」 うわーーー ワシ外国語なんか全然アウトな上に3つのどれもアウトでんがな~ サルどころかミジンコじゃ~ 2016/03/25
micamidica
5
ピリリと辛い塩野節。およそ20年ほど前に5年ほどかけて連載されていた文章なので、書かれている出来事は実感の沸かないものだけれど、本質的に日本はまったく変わっていないのだな、と実感させられる。憂慮されていることがまったくそのまま残っている気がします。書かれた5年の間に、イタリアではリラがユーロになり、世界は動いているのだなぁと実感します。なるほどと思わせる文章がたくさん。たしかに、子どもを英語を話すサルにはさせたくない!笑 黒澤明監督や小渕元総理など、故人についての言及も興味深かったです。2016/05/11
eriko*
5
もうちょっと、ロマンティックな、軽い読み物を期待してたんだけと、ほとんどが、政治とかの固い難しいはなしだった。2013/11/05
たなかか
5
いつかローマに行こうと思う2003/07/08