あなたを自殺させない―命の相談所「蜘蛛の糸」佐藤久男の闘い

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103067023
  • NDC分類 368.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

日本における自殺対策はこの男を抜きに語れない。自殺率ワーストの秋田でNPO法人を設立し自殺者を大幅に減らしたその難業の軌跡。

地域を支えてきた中小企業の経営者たちが、なぜ次々と死ななければならないのか!? 事業で失敗し追い詰められてみずから死を選んでしまう人たちを救おうと、二〇〇二年、自殺率ワースト一位の秋田でNPO法人「蜘蛛の糸」を立ち上げた佐藤久男。佐藤は、民・学・官の連携によって実際に自殺者を大幅に減らしていった。秋田で、被災地で、日本各地で、佐藤は何を考え、何をしてきたのか。その難業の軌跡を追う。

内容説明

地域を支えてきた中小企業の経営者が、なぜ次々と死ななければならないのか!?自身も倒産して自殺寸前まで追い込まれ、仲間の経営者たちが自ら命を絶つのを目の当たりにした佐藤久男は、自殺率ワースト1位だった秋田でNPO法人を立ち上げ、「民」「学」「官」の連携によって、実際に、自殺者を大幅に減らしていった。秋田で、被災地で、日本各地で、佐藤は何を考え、何をしてきたのか。日本における自殺対策は、この男を抜きには語れない。

目次

皇居まで走ってごらん
針の穴ほどの光を
また来週会いましょう
終着駅は始発駅
暗夜を憂うること勿れ
ゆっくり、きっちり、じっくり
魔の活断層
灯台になる
被災地へ

絆館
命の伝導師

著者等紹介

中村智志[ナカムラサトシ]
1964年、東京都生まれ。上智大学文学部卒業後、朝日新聞社入社。「アサヒグラフ」「ASAHIパソコン」編集部、東京本社社会部、「週刊朝日」編集部などを経て、現在、朝日新聞社教育総合本部勤務。1993年12月からの長期取材をもとに、1998年、『段ボールハウスで見る夢』(草思社。後に『路上の夢』と改題され講談社文庫)を著し、同年度の講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中玉ケビン砂糖

107
、われわれはいついかなる時にも「カンダタ」になる可能性がある、最初この本を目にしたとき、「蜘蛛の糸」とはまた皮肉な、と思った、「私はあなたを死なせないように全力を尽くしはするが、最終的な判断はあなたの自由意志です」というかのよう、しかしそこには「みんなで助かろう」という純粋に強い意志のあることがわかった、「死にたい」と毎日のようにつぶやいて昏い生活を送っている人々は反面で「死にたくない」「もしかしたらなんとかなるかもしれない」という一縷の希望と衝突し、葛藤し、なんとかして均衡を保っている2015/04/07

nonpono

55
わたしが秋田に住み始めた頃に秋田が人口に対する自殺率ナンバーワンと聞き驚いた。だが暮らしてみると濃厚な人間関係と執拗な噂と狭い社会にわたし自身、窒息しそうになったことはないとは言わない。本書は秋田での自殺問題を考える倒産からの自殺志願者だった佐藤さんの活動である。とにかく志願者の話を聞く、思いの丈を話してもらう。そして次の小さな約束をする。三日後に電話でもいい。そうNPOの名前「蜘蛛の糸」が語るように、地獄だという日常に垂らされた糸のような小さな希望があればまた世界は違う。一人で全てを抱え込まないでと。2025/03/27

ころりんぱ

54
自身も会社倒産でどん底の体験をした佐藤さんが、同じように苦しむ人々を自殺させないために生み出した「蜘蛛の糸」での活動のルポ。相談者にゆっくり、きっちり、じっくり向き合うことを心がけ、一緒に考え光を見出して、再出発の力になる佐藤さんの言葉や行動は、人に寄り添うっていう事を考えさせてくれる。「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うる事勿れ。只だ一燈を頼め。」佐藤さんは相談者にとって暗闇の中の光になってる。せっかくこの本に出会ったんだ、私に実践できることは何だろう?とゆっくり考えたくなる本でした。2015/02/24

のんすけ

33
自殺を防ぐために走り回る佐藤さんを中心にしたルポ。東北地方に自死が多いことに驚きました。佐藤さんは中小企業の社長さんたちの心に寄り添うことを得意としているが、その考えはいじめや高齢者の自死にも通じるものがある。焦らず前向きに。その通りです。2015/05/06

masa

21
自殺に触れた本は初めて読んだ。主に中小企業経営者の自殺予防に取組む秋田のNPO法人「蜘蛛の糸」佐藤代表のルポ。自身も会社を潰し、鬱病から自殺寸前の経験を持つ佐藤氏の地道な取組で秋田県内自営業者の自殺はピーク時の1/3に減少した。徹底して傾聴する個人面談が拡がり、国を動かし「自殺対策基本法」制定に繋がる。様々なエピソードが綴られているが、岩手県大槌町「小川旅館絆館」の話は私の被災地感情も絡んで感情が揺れた。読了後、発災1週間前に自死した旧友の葬儀を思い出した…。(蜘蛛の糸HPも参考になります)15342015/03/01

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