出版社内容情報
3歳児がウサギ用ケージに監禁され窒息死、電気も水も止まった一室で孤独な餓死──家庭という密室で命を落とす子供を追う衝撃ルポ。死んだ犬を捨てた荒川に、次男も捨てた……虐待家庭の「核」に迫る戦慄のルポ! 次男をウサギ用ケージに監禁、窒息死させ、次女は首輪で拘束した夫婦。電気も水も止まった一室で餓死させた父親。奔放な性生活の末に嬰児2人を殺し、遺体は屋根裏へ隠す母親。「愛していたのに殺した」という親たち、その3代前まで生育歴をさかのぼることで見えて来た真実とは? 家庭という密室で殺される子供たちを追う。
石井 光太[イシイ コウタ]
内容説明
次男をウサギ用ケージに監禁、窒息死させた足立区の事件をはじめ、虐待する親たちを3代までさかのぼり、その生育歴にも至る、戦慄のルポ!
目次
1 厚木市幼児餓死白骨化事件(地獄絵図と化したアパート;親子三人;夫婦喧嘩 ほか)
2 下田市嬰児連続殺害事件(伊豆半島の南;母子一族;結婚 ほか)
3 足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件(荒川;裁判―二〇一四年;家族の肖像 ほか)
著者等紹介
石井光太[イシイコウタ]
1977(昭和52)年、東京生まれ。国内外を舞台にしたノンフィクションを中心に、児童書、小説など幅広く執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
268
自らの子供を殺す親のニュースが気になるので、読みました。石井光太、初読です。想定通りでしたが、読むにつれて気分が悪くなるのと合わせて遣る瀬無さを感じました。貧困、負の連鎖と本人の性格、周りのサポートの無さもしくはマイナスサポートが相俟って、其々の事件が起きているんだと思いますが無力感しかありません。最初の二つは兎も角としても、足立区の事件は最低・最悪です。当事者達がどの様に考えているか解りませんが、ペットを飼うのと同じ様な安易さで子供を産んでいるのではないでしょうか?面倒になると遺棄して御終いなんて・・・2016/10/09
いつでも母さん
148
人間、幸不幸最期はとんとんだって、どこかで帳尻は合っていると聞いたのはいつの事だったろう・・この亡くなった子ら、殺された子らの魂が救われますように祈らずにいられない。厚木と下田の事件では、『無知は罪だ』と感じた。足立区の事件からはこうして生活保護の不正受給が増えるのだなと・・どの事件も「有りえないでしょ!」と怒りが沸騰する。どんな言葉でその裏にある生い立ち・環境を遡ったとしても、不愉快でならない。行政云々ではない。命がこんなに簡単に親の手でつぶされる事のどこに寄り添えるものか!が、これも現実なのだなぁ・・2016/10/03
at-sushi@進め進め魂ごと
130
本書に出てくるような親に虐待され殺される子供ってのは、前前前世で連続猟奇殺人犯だったり稀代の暴君だったに違いない、とでも思わないと悲しくてやりきれない。 「正常」を与えられずに育った子が親となり、犬猫か富国強兵策のように考えなしに誰の子とも知れない子を量産し、拡大再生産される「異常」。子供に恵まれない真っ当な人は数多くいるというのに、古から変わることない「貧乏人の子沢山」という普遍の摂理。エピローグで紹介される特別養子縁組の支援組織が一筋の光明。 2017/04/15
スパシーバ@日日是決戦
128
{2016年} 「厚木市幼児餓死白骨化事件」(2014年-7年もの間発覚せず)」「下田市嬰児連続殺害事件(2014年)」「足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件(2014年)-未だ遺体は見つかっていない」。いずれも親が子供を残虐な方法で殺したものとして報道された事件のルポ。「人は誰しも自分の生まれ育ちを選ぶことはできない」。余談ですが、偶然にも今日は「成人の日」。当人はもちろんのことですが、今まで育ててくれた親御さんやサポートしてくれた方々(当たり前、と思ったら大間違い!)に感謝する日でもあると思うのです。2017/01/09
かず
125
★★★★★。一気に読了、メンタルにダメージ⤵︎「取材をここまで進めたうえでこれらを見ると、二人は二人なりに家族を愛していたと認めざるをえなくなった。その方法も感覚も根本からまちがってはいたが、夫婦になり精いっぱい、子供たちの笑い声が絶えない温かな家庭を築き上げようとしていたのだ。それに気づいた時、わが子を愛しみながら、家庭を崩壊させることしかできない親の悲しみを感じずにはいられなかった。」愛し方がわからない、愛されたことがないから…。とても辛いですね。非常に考えさせられました。2016/12/06
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