内容説明
高校生になった加那子は、幼なじみの栄順と再会。加那子の兄・セイリョウの「バンドやるどー」の一声で、太陽が照りつける牛小屋での練習が始まった。栄順が歌、マコトがギター、セイリョウがドラムで、加那子のパートは、恥ずかしがり屋でうまく歌えない栄順を励ますこと…「ずっと歌った方がいいさ、栄順の歌で幸せになる人がいるから」。四歳のときに「うた」を探しに奄美大島に行ったきり音沙汰のない父・セイイチと共に母・澄子がつくったバー“インタリュード”と、おばぁの美容室を手伝いながら、栄順との恋を育んでいく加那子。バンドには同級生の浩がキーボードに加わり、東京行きをかけたバンド大会で優勝を勝ち取るも、その夜セイリョウに思わぬ運命が降りかかる―。みんなの東京デビューの夢は?そして、ふたりの不器用な恋の行方は?ひとを恋しく想うきもちを知って、ひとつ大人になった加那子は、ある決意を秘めていた…。映画では語られることのなかった「セイイチと澄子の恋」を併録した中江監督初の書き下ろし小説。
著者等紹介
中江裕司[ナカエユウジ]
1960年京都府生まれ。琉球大学入学を機に沖縄へ移住。92年「パイナップル・ツアーズ」の一篇「春子とヒデヨシ」を監督。99年には、平良とみ、登川誠仁を主役に迎え、沖縄民謡やケルト民謡をふんだんに使った「ナビィの恋」で全国的なロングラン大ヒット。沖縄県内では、「タイタニック」を抜き最多動員を記録した。2002年に「ホテル・ハイビスカス」(原作/仲宗根みいこ)、03年に石垣島の楽団のドキュメンタリー映画「白百合クラブ東京へ行く」を監督している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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