内容説明
世界一、気むずかしい人たちの、しなやかでしたたかな人生の極意。パリ暮らし30年の著者による、それでも住みたいこの国の魅力とは。
目次
モノを買わないフランス人(お金とフランス人の複雑な関係;なるべく買わない。買うときはかしこく;中古と古物への愛着;マルシェという名の空間;「ブランド抜き」の新学期)
「大人」育ては幼稚園から(高邁な理想と現実とのあいだに;社会のなかで生きられる子を;いまも光るフレネの教育理念;ゲンズブールとラ・フォンティーヌ;読書のすすめ)
のろま礼讃(「のろま」の愉しみ;ツール・ド・フランス;長い長い夏休み;ヴァカンスセンターの今と昔)
人生の極意(勧善懲悪なんて信じない;朗読のすすめ;気軽にクラシックを;アートのない人生なんて;みんなで夢を)
著者等紹介
飛幡祐規[タカハタユウキ]
1956年東京都生まれ。74年渡仏。パリ第5大学にて文化人類学、パリ第3大学にてタイ語・東南アジア文明を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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RENO
2
なぜフランスの人はお洒落なんだろう・・・?それが知りたくて手にとった本。 消費文化ではなくモノを大事に、自分の時間を大切にする。お堅いお高いイメージのフランス。お堅いではなく、きちんと?一人一人とても自分を持っているのね・・・ 今まで知らなかったフランス。朗読のすすめ等楽しく読めた。 2013/04/07
wang
2
フランス人の買い物、教育、バカンスなど日常生活を述べる。日本やアメリカなどの価値観とも全く違う。極端に感じるその独自性がフランス人なんだなあ。後半やや観念的で具体例に欠けるが前半は具体的で興味深い。2010/08/18
ニョンブーチョッパー
1
○2010/09/22
麗子
1
同著者の、"時間という贈りもの"が大変おもしろかったので、こちらもどうしても読んでみたくなり、読んでみた!やっぱりおもしろかったー。著者の、フランスという国・フランス人という人たちを愛する気持ち、そしてそれを裏打ちする、"ひと"そのものへの深い愛情を感じる。こういう本、大好き!2015/02/26
akiko_lecture
1
米国的な文化との対比を興味深く読んだ。美化された「子供向け」を好まない仏に対して、勧善懲悪で完璧に理想化された世界を描く米のディズニー。ラ・フォンテーヌの「アリとセミ」のラストが「働かざる者喰うべからず」という教訓でなく、「Eh bien! dansez maintenant.ならば、踊りなさい!」という「実に甘美で意地悪」な一句だったとはいかにも。宗教からの自由を求めてライシテという概念を生み出してきた仏にとって、大統領が神に宣誓する米がいかに奇異か。米的スタンダードとは異なる思考、嗜好、創造の居場所。2014/12/01