ハイン 地の果ての祭典―南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死

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ハイン 地の果ての祭典―南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死

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  • サイズ A5判/ページ数 271p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794810670
  • NDC分類 386.65
  • Cコード C0039

出版社内容情報

尖った円錐形の仮面、裸身を覆う大胆な模様、不思議なポーズ─。人類学者M・グシンデが1923年に撮影した一連の写真を初めて見る人は、古いSF映画の一場面か、またはボディペインティング・アートかと思うかもしれない。実はこれは、セルクナムという部族が脈々と続けてきた祭典「ハイン」の扮装のひとつなのだ。
 セルクナム族と呼ばれる人々は、南米大陸の南端に点在するフエゴ諸島(ティエラ・デル・フエゴ)に住んでいた。そこは人間が定住した最も南の土地、「地の果て」だった。この地域には四つの異なる部族が暮らしていたが、セルクナムはそのなかでも最大のグループだった。
 主島のフエゴ島とそこに住む人々の存在は、1520年、マゼランの世界周航によって初めて西洋社会に知られた。以後多くの者がこの地を訪れる。「海賊」ドレーク、キャプテン・クック、ダーウィンを乗せたビーグル号、貿易船やアザラシ猟の船、金鉱探索者、キリスト教の伝道師たち、牧場経営者たち─。島民との間に様々な軋轢が生まれ、やがて一九世紀末に至ってフエゴ島は生き地獄と化す。公然と大虐殺が行われ、伝道所に強制収容された人たちの間に伝染病が蔓延し、そこから生きて出た者はわずかだった。フエゴ島民は短期間のうちに絶滅への道を辿り、生粋のセルクナムは1999年に絶えた。
 多くの西洋人の目に、フエゴ島民の生活は「野蛮」で「惨め」で、自分たちの「文化的生活」とはかけ離れたものと映った。酷寒の地で裸同然で暮らす人々のなかには、拉致され、見せ物にされた者も多くいた。だが、彼らは世界のどこにも似たものの無い独自の文化をもっていた。部外者にはほとんど明かされることのなかった祭典「ハイン」はその白眉だ。本書は、この驚くべき祭典の姿を、残された記録や往時を知る数少ない人たちの証言から丹念に描き出し、「消えた」部族の姿を生き生きと伝えている。(編集部)

アン・チャップマン[アンチャップマン]
Anne CHAPMAN(1922-2010) アメリカの人類学者。生き残っていたわずかなセルクナムと親交をむすび、生涯を通じてフエゴ島民の社会・文化を研究した。

大川豪司[オオカワタケシ]
訳者 大川豪司 1961年生まれ。国際基督教大学卒。現在、英語の学習塾講師。

内容説明

南米最南端のフエゴ諸島、そこは人間が定住した最南の地だった。白人の到来による迫害と伝染病の蔓延によって絶滅へと至った部族の社会、神話、そして部外者に秘匿されていた祭典の詳細をフエゴ諸島民の研究をライフワークにした人類学者が描く。20世紀初頭の貴重な写真約50点。

目次

1 セルクナムの神話(ハイン、この「偉大なる祭典」は何のためか;母権制および女たちのハイン崩壊の神話;最初のハインと父権制の起源の神話;ハインの秘密)
2 セルクナムの社会(かつての暮らし;なぜ滅びたのか;慣習としてのハイン)
3 三人の中心人物(テネネスク;ハリミンク;グシンデ)
4 ハイン(身体彩色の技巧―日常生活用とハインの「精霊」用;女子の成人儀礼;ハインの精霊たちと登場の場面;遊戯、踊りとその他の儀式;最後の仮説―秘密は誰のものだったのか)
5 その後のこと

著者等紹介

チャップマン,アン[チャップマン,アン] [Chapman,Anne MacKaye]
1922‐2010。アメリカ合衆国の人類学者。メキシコの国立人類学大学、ニューヨークのコロンビア大学、フランスのソルボンヌ大学で、レヴィ=ストロースなどに学ぶ。ホンジュラスで先住民社会(ヒカケ族、レンカ族)の研究を行い、1964年からフエゴ諸島にわずかに残っていたセルクナム族の末裔たちに交じってフィールドワークを始める。セルクナム族最後の女シャーマン、ロラ・キエプヒャの最晩年、生活を共にし、伝統文化について記録し、数多くの歌を録音した

大川豪司[オオカワタケシ]
1961年東京生れ。国際基督教大学教養学部卒業。インドネシアのジャカルタで、在住日本人子弟を対象とした学習塾の講師をして四半世紀過ごす。帰国後は予備校などで受験英語を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あじ

38
地の果ての先住民族が執り行っていた通過儀礼『ハイン』。それは儀式であり劇場でもあった。これには公然とした“守秘”が男女間に存在した。絶対的な父権制を維持するため、過剰とも言える念の入れようで、秘密前提の祭典は執り行われる。約100年前の儀式に、ドイツの人類学者グシンデ神父が密着していた。主に彼の貴重な著述や写真を並べ、著者が『ハイン』を再現する。最後の『ハイン』は1933年、ひっそりした末路であった。心中の複雑さを持て余し、私は狼狽えの最中にある。★3.8/52018/10/05

ももたろう

25
地の果ての祭典ハイン。かつて南米フエゴ諸島に存在した先住民セルクナム族の通過儀礼である。この祭典で学ぶものは「大人としての役割を果たすこと」である。本書ではこの祭典とセルクナムの生と死が描かれていた。地の果てで独自に生まれた祭典は興味深く、とりわけ印象的だったのは身体彩色とクロケテン(成人するもの)とショールト(精霊)との拷問にも似た対決だ。身体彩色なんかは、もう芸術作品と言えると思う。南米の先住民が独自に生み出した祭典から、時と場所は違えど「人間の生と死」について思いを巡らすことができた。2018/02/18

ナハチガル

17
おもしろかった!儀式の様子を文字で読むのは想像しづらく、退屈な箇所も少なくないが、貴重な写真と著者の熱意ですばらしい読みものになっている。人間の文化の多様性に驚かされつつ、同時にまったく異なる文化を持つ我々にも理解しうる論理がそこにあることもにも驚かされる。そしてまたハイン以外にもこの星で生まれ、一切記録されることなく永遠に失われてしまった無数の文化を思うと、このような記録で読むことができるのは幸運と言えるが、それにしてもこの結末はあまりにも悲しい。知的昂奮を憶えつつ感情を揺さぶられもする良書。S-。2017/10/01

allite510@Lamb & Wool

10
南米大陸の南端、フエゴ諸島の今は亡き先住民セルクナムの祝祭の記録。多彩なボディペインティングと仮面による精霊の仮装がとにかくユニークだが、数多い精霊の設定や、関連する手順や約束事などからも、豊かな神話・物語を持った民族だったことが伺える。一方で、その物語や約束事の多くは父権制社会を維持するための嘘と秘密が基になっており、うんざりしつつも、女性を抑圧するための「システム(神話・儀式・掟・暴力)」が素朴だったころを伺うことができて興味深い。今も男のやってることはたいして変わらなかったりするのかも。2017/09/04

くるみ

9
たいへん興味深く読んだ。毎朝出勤前に30分ずつ読んでいると、本を開くたびにああまたこの祭典に戻ってきた、馴染みの人物にまた会えたという感覚が日に日に増してきて、自分もハインを疑似体験している気分になった。でも頭のどこかで、これは一体なんだろう、この祭典は、儀式はなんのためにどんな気持ちでやっているのだろうとも思っている。ショールトの立ち方を真似したりもした。ハラハチェスやクテルネンの気持ちを考えてみたり。そして国家黙認の大規模な大虐殺や白人がもたらした疫病によって次第に失われた文化のことを思う。2019/10/23

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