歪んだ忌日

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  • サイズ B6判/ページ数 140p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103032359
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

二十数年没交渉だった母親からの手紙は、貫多の心に波紋を呼び起こした──。芥川賞受賞作『苦役列車』の主人公貫多を描く作品六篇。

芥川賞受賞作『苦役列車』の主人公・貫多が抱く身内への思い、憤懣と怨念。同棲する女に怒罵と暴言を浴びせかける貫多。人生の先行きに不安と畏れを抱く15歳の貫多。没交渉だった母親からの手紙に心揺らされる貫多。大切な師の〈?C造忌〉を陰鬱な気持ちで挙行する貫多。出ていった女への後悔と幻影に涙滲ませる貫多。43歳で芥川賞を受賞した故の悩ましき日々と、不穏な苛立ちを炙り出す私小説六篇。

内容説明

落伍者人生の出発に畏れを抱く15歳、女に怒罵と打擲を浴びせる30代、そして43歳での芥川賞受賞を経て―。『苦役列車』の貫多のさらなる憤怒と怨念に満ちた私小説集。

著者等紹介

西村賢太[ニシムラケンタ]
1967(昭和42)年7月、東京都江戸川区生れ。中卒。2007(平成19)年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を、2011(平成23)年「苦役列車」で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古古古古古米そっくりおじさん・寺

53
芥川賞受賞後の暮らしを題材にした内容のものが多いが、秋恵ちゃんものも一本。週刊ポストの官能特集に掲載した『膣の復讐』は嫌悪感を抱かせる内容。よく官能小説特集にこれを寄せたと感心。最初と最後は藤澤清造に対する思いを描いた小説。これで何かキリッとした気分にさせられる。私もまだしばらくは賢太を愛読するだろうな。2013/08/04

抹茶モナカ

46
北町貫多の青春期、秋恵もの、藤澤清造に対する思い。西村賢太さんの私小説の大きなモチーフがテーマの短編がバランス良く収録されていて、もしかしたら、西村作品を読んでいないと読みづらいかもしれないけれど、ある程度、西村作品を読んでいる人には贅沢な1冊。西村賢太さんの作品を読んでいると、気持ち的に救われる部分もありつつ、ついつい僕自身が自分に甘くなるところもあって注意しているのだけれど、どうも西村作品をこのところ好んで読んでしまう。2017/04/23

つちのこ

32
著作完読のコンプリートを目指しているが、調べてみるとまだ未読の作品がいくつかあり、手始めにこれを読み始めた。だが、短編を3つ目まで読んで、再読だったことに気づいた。本作が出た2013年前後は読書記録も中途半端にしか残しておらず、それが災いしたようだ。しかし、二度目に違わずそれぞれの短編がリズミカルにテンポよく、鋭利な刃物のように突き刺さってくる。秋恵と過ごす日常を描いた『青痣』や、その後の顛末『膣の復讐』では、時には狂暴に、一転して弱味をさらけ出す。その有無も言わせない破壊力に改めて唸った。 2023/07/07

カレー好き

27
急逝した西村さん。石原慎太郎さんへの弔いの寄稿文を書いて数日後に亡くなったのには本当に驚いた。北町貫多は相変わらずの愛すべきクズだけれど、いつでもまた会える。表題作にある、西村さんが敬愛する藤澤清造さんのお墓の隣に納骨されたとのこと。2022/02/27

tomi

25
最新作6篇。作者にしては、おとなし目の作品が多い印象(ただの慣れ?)だが“秋恵もの”の「青痣」など相変わらずの人でなし振り。「跼蹐の門」は中学を卒え家を出た頃の話。家を飛び出したものの働き口は見つからず、所持金が尽きると帰宅して母親から生活費を「強奪」する日々。ようやくバイトに採用されたのだが… 無頼気取りだけでは生きてはいけず途方に暮れる主人公。最後の(生きて、いけるんだろうか?)のつぶやきが印象的。◇跼蹐(きょくせき=身の置き場所もない思いをすること。)2013/08/17

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