内容説明
学歴もなければ、金もなく、恋人もいない三十五歳の晴夫。一流マジシャンを目指したはずが、十七年間場末のマジックバーから抜け出すことができない。そんなある日、テレビ番組のオーディションではじめて将来への希望を抱く。だが、警察からの思いもかけない電話で、晴夫の運命が、突如、大きく舵を切る―。人生の奇跡を瑞々しく描く長編小説。
著者等紹介
劇団ひとり[ゲキダンヒトリ]
1977年千葉県生まれ。92年デビュー。2000年にピン芸人として「劇団ひとり」となる。総勢数十名のキャラクターを一人で演じ注目される。映画やドラマで俳優としても幅広く活躍。はじめての小説『陰日向に咲く』は映画化もされ、一〇〇万部を超えるベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ykmmr (^_^)
123
又吉先生より前に、密かに小説を書いていらっしゃる。芸人らしい物語の発想と、芸人らしい人生の送り方と立て直しである。目が覚めたら、自分が生まれる前の時代にいて…。自分の両親のルーツを見て、そこからの自分を実体験して、最後に自分の今を立て直す。たまに、自分のルーツや前世などを何かにつけて知りたくなる。SF小説要素だけど、その中に人生の深みを感じる小説。短く、分かりやすい言葉で書かれていて読みやすい。この人も才能あるから、また小説を書いて欲しい。2021/11/09
hiro
107
『陰日向に咲く』の映画を観て、今回、映画化されたということで購入した。小説としては初劇団ひとり作品。読み出して、まず主人公春夫を大泉洋が演じるということについて、ピッタリのキャスティングだと思った。しかし、タイムスリップ物としてはありふれたストーリーだったし、また会話文が中心で、地の文での情景描写等がほとんどなく、有名な文学賞をとった作家の作品に比べると、やはり作品に厚みが感じられなかった。さらに残念なことに‘解説’がまったく解説になっていない。劇団ひとりさんの作品について、本当の‘解説’が読みたかった。2014/04/29
あちゃくん
95
こんな"ベタ"な状況、こんな"ベタ"な展開、こんな"ベタ"な仕掛け、こんなんで感動してたら劇団ひとりの思う壺だなと思いつつ、ウルっときてしまいました。"ベタ"が持っている力強さを十二分に感じる作品でした。さっ、映画見にいこっと。2014/05/24
優花 🍯モグモグ
94
ありふれている作品で展開も読めてしまうけれど、とても読みやすいのであっという間に読めてしまいます。本を読み慣れている人には物足りなく感じてしまうかもしれませんが、本を全く読まない人には丁度よく読みやすい作品だと思います。2015/09/24
Take@磨穿鉄靴
88
非常に読みやすくスラスラと入ってくる。「陰日向に咲く」でもそうだったけど文章の向こうに「劇団ひとり」氏がニヤニヤしながら「どう?上手いこと書くでしょ?」みたいなドヤ顔がずっと浮かんでいた。それでも楽しめた(^_^)こう暑いと小難しい内容は入って来ないしかといってつまらなくても進まないしその点この暑さの中読むには「上手いこと」書いてくれたと思う。紙の花の「私を喜ばせるために咲いてくれた花」の所が好き。ここはとても素敵。なんだかんだで劇団ひとり氏がまた何か書いたらきっと読む。結構好き。★★★☆☆2018/07/20