魔所―イタコ千歳のあやかし事件帖〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103030737
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「薫物御前は、良くねえ女だった。俺が見た訳じゃねえよ。もっと昔の話だ」―昭和初期の青森、魔女伝説が残る場所“薫物様”で、次々と起こる怪事件。相談を受けたイタコの千歳は、悲劇の連鎖を止めることができるのか?超常現象をごく論理的に解釈する千歳と、おばけ嫌いなのになぜか霊の声を聞いてしまう助手の幸代が巻き込まれる猟奇的難事件の数々。怖さ、切なさ、大増量の「オカルティック・ミステリ」シリーズ第2弾。

著者等紹介

堀川アサコ[ホリカワアサコ]
昭和39年青森県生まれ。平成18年、『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nyanco

30
オシラ様、馬市の様子など昭和初期の青森らしい雰囲気が実に良く描かれていた。当時の新聞のゴシップっぽい感じも良く、それを千歳が盲目だから…と小道具に使う技には脱帽。高雄や安子、巌流島コンビと脇のキャラが更に生き生きと動き、今回登場した女中・シエもとても良かった。シエの話「白い虫」はホラー色が強く、今までも少し違う作品だがこれもゾワゾワ感が堪らなかった。シエに語らせることでシリーズとは違う色を出し、違和感を持たせないのが巧い。前作では姿を表さなかった亡き夫が、そっと千歳に寄り添い見守る様子もいい。続→2011/01/27

エンリケ

26
盲目の若きイタコ千歳を主人公とするシリーズ二作目。今回はより怪談色の強い内容。主人公は至って明るくあっけらかんとしているのだが、彼女に舞い込む仕事の内容は陰鬱そのもの。怪異に翻弄される憐れな人々が登場するが、彼らが愚かしく踊る様は、少々グロテスクな悲劇だ。陰惨な殺人シーンも描かれ、大正という時代も相まって当時の戯作本がごとき雰囲気。この作者は、時代を感じさせる描写が誠に上手い。随所に得体の知れない存在を千歳は感じる。でもその正体は謎のまま。嘗てそこかしこに有った魔所。そこには何か悪いモノが淀み蠢いている。2018/09/14

NOBU

18
前作より千歳のイタコらしさが生かされていて、好ましく面白い。 「死んでようが生きてようが、人は人…生きている人と死んだ人の違いは、氷と湯気の違いくらいのものなのよ、きっと」続編への布石になっている『薫物様』(たきものさま)が不気味、続きに期待。それにしても、表紙はこれじゃないとあかんのかいな!?ちょっと違う…。2011/10/23

バニラ風味

17
盲目のイタコ千歳と、千歳を世話する幸子。千歳のイタコ業を良しとしない母親から依頼があり、千歳が七尾家へ行くと、いきなり老人の霊が語り掛けてくる。「尾沼に近づいちゃ駄目だよ。薫物御前の悪がたまって、悪いものが湧いてくるんだ」。尾沼家の兄弟の噂や、恐ろしい殺人事件。目が見えないからこそ、心の目で判断する千歳が小気味良い。また、生きていないのに、この世に影響を与えるものが、怖かった。いや、生きて、間違った判断をするものも恐ろしいけれど。2018/08/13

itica

14
千歳の見えない目に映るものが実在するものなのか霊なのか曖昧模糊としたところが、この物語の特徴と言える。霊が怖いのではない。人間の強欲さや恨みつらみが人の姿形となって現れる、その思いの強さが恐ろしい。単に前作の続き。そこに目新しさはないが、何とも言えない不思議な気分を味わうことが出来る。2011/06/22

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