出版社内容情報
松本在住、木の器が大人気の工芸作家による、初めての画文集。暮らしの周辺、青春の記憶、器を作る思いなどを綴った静謐な文章と、どこか懐かしい風景、静物画の数々。
内容説明
松本在住、木の器が大人気の工芸作家による、初めての画文集。
目次
桜
校舎
丸テーブル
蓮
小屋
ウォールナットのプレート
ALPHABET
薪ストーブ
窓
音楽の箱〔ほか〕
著者等紹介
三谷龍二[ミタニリュウジ]
木工デザイナー。1952年福井県福井市生まれ。1981年、長野県松本市に工房ペルソナスタジオを開設。職人たちとの共同作業により、ふだんづかいの木の器を作る。全国で個展多数開催。立体、平面作品も手がける。また、「クラフトフェアまつもと」発足当初から運営に携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
36
三谷さんは度々読むエッセイに出てきて気になってました。文章から優しくて穏やかな雰囲気の方なのかしら。またくすっとするところもあって楽しかったです。時間をかけて木に触れ続ける。素敵な大切な時間。絵からも、木のうつわみたいに立体的で素朴な質感、どちらかと言うと木というより土に触れるような温度を感じました。キッチンの窓から蓮の花が見える、なんて印象的な風景なんでしょう。あと「美しい薄苔色」という表現も素敵。三谷さんが「ダメージに、まるで妖怪人間ペムになったみたい」には笑った。面白いお方 文章も題材も素敵でした。2017/10/17
✼なぁ✼
12
伊坂幸太郎さんの小説の表紙に、よく三谷さんの作品が抜擢されています。この本は伊坂さんのエッセイで知りました。この画文集は見ていてホッとします。ぬくもりや手触りが感じられるようで、とても落ち着けます。ひと通り読んだ後、気になったときにパラパラっと本を開き、目に止まった画の文を読むということを繰り返しています。2017/05/11
ネロリ
4
伊坂氏の小説の表紙で出会った作品の持つ雰囲気が好きで興味を持った。といっても、本書では、木工ではなく、絵が掲載されている。音が吸い込まれるような、しんとした絵。絵とテーマを同じくした文章は、三谷氏の身近にある様々な事物についてのもの。たぶん、きちんと消化されて、ご自身の言葉となったものだけが語られているんだろうな、と感じた。小説のような読み方は合わない。時々、ページをめくって言葉をついばみたい。2011/02/22
ruri
3
人のなかにいると、肩に力いれて生きていることに気づかないけど、一人で美しい音楽聴いたりすると 肩の力が抜けていく瞬間にあう。 この本は、そんな瞬間を感じることができる。2016/04/27
あきこ
3
三谷さんはとても人気のある方で、作品もよく眼にするし、雑誌などにも登場したりと、木工作家としては派手な印象を持っていたが、本書を読んでみて、静かな心と松本を愛する気持ちが伝わってきた。生活の小さな気付きに心を留めて大切に思う。それは田舎にいるから出来るとかいうことではなく、心の持ちようなんだろう。自分にとって大切なものをちゃんと見つめているのだろう。2010/06/29