内容説明
妖怪馬鹿―妖怪のことばかり考えている人のこと。本書は、あやかしの都に三馬鹿が集い、行われた座談会の記録である。京極夏彦書下ろし漫画も満載。
目次
序章 妖怪三馬鹿、上洛す。
第1章 我ら如何にして妖怪馬鹿となりしか。
第2章 医者も治せぬ妖怪馬鹿。
第3章 夜の帳は降り、妖怪話は続きけり。
第4章 すべて妖怪の仕業なり。
第5章 妖怪馬鹿と口裂け女。
第6章 そんな妖怪、何処にも居らぬ。
第7章 二十一世紀こそ妖怪馬鹿の時代―か?
著者等紹介
村上健司[ムラカミケンジ]
1968年生れ。妖怪・伝説探訪家。編著書に『妖怪事典』がある
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年生れ。小説家・意匠家
多田克己[タダカツミ]
1961年生れ。妖怪研究家。『百鬼解読』『妖怪図巻』など、妖怪に関する編著書多数
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
108
1999年に企画された京都合宿の妖怪座談会を纏めたのが本書。ふざけながらも博覧強記の面々が集っているだけあってその内容には思わず頷いてしまうような説や論考が開陳される。まずいきなり京都へ向かう新幹線の名前「やまびこ」も「こだま」も妖怪の名であるのに笑った。得体のしれない物や事、そして奇怪な動物などを腑に落ちさせるために生み出した日本独特な考え方が妖怪なのだとよく理解できた。しかし合間に挿入される京極氏による1ページ漫画の数々が既存の漫画家のパロディなのだが、全てオリジナルとほとんど遜色ないのに一番驚いた。2024/08/29
優希
74
妖怪好きの3人と進行役による対談集。まさに妖怪馬鹿というのに相応しい妖怪語りが面白かったです。他にも時事ネタやエンタメまでその話は幅広いものでした。京極さんによるパロディ画も対談を盛り上げていると思います。その画力は本家の漫画家に引けを取らないものでした。2018/04/30
sin
38
再読です。今週参加させていただくイベントの為に読み返してみました。京極氏の「ものまね漫画」が、あまりにも見事でお薦めに選んだ一冊ですが、対談の内容も妖怪を語る上で見逃せない一冊です。妖怪入門にお薦めです。でも、語られている内容がいささか古くてマニアックにもほどがあるんですけど2013/06/05
はらぺこ
26
気軽に注釈を読んでしまうと本筋をどこまで読んだか見失う。マンガが文章の途中に入ってるのでタイミング悪い。パロディーマンガは本物の作者が描いたのかと思うほどの出来でした。2016/12/29
Tanaka9999
21
2001年発行、新潮社の新潮OH!文庫。妖怪談義の座談会だが、馬鹿な話も多い。その中に真面目な話も混じっているわけで、その分読みやすくなっているといえる。おそらく通常の座談会だと8割方割愛されるような脱線した話を、そのような効果を計算していれたのだろう。そのため分量は若干多め。2023/09/05