出版社内容情報
身に憶えのない殺人容疑で有罪判決を受け、22年間服役している黒人死刑囚クインシー。絶望の淵にいた彼が頼ったのは、〈ガーディアン・ミニストリーズ〉だった。専任弁護士ポストは、国中を飛び回り証人の確保に奔走する。だが、冷酷な真犯人グループは証拠を隠蔽し、弁護士を殺めることも厭わない連中だ。冤罪死刑囚を救い出そうとするポストの決死の闘いの末、決着は最後の法廷の場へ――。
内容説明
身に憶えのない殺人容疑で有罪判決を受け、22年間服役している黒人死刑囚クインシー。絶望の淵にいた彼が頼ったのは、“ガーディアン・ミニストリーズ”だった。専任弁護士ポストは、国中を飛び回り証人の確保に奔走する。だが、冷酷な真犯人グループは証拠を隠蔽し、弁護士を殺めることも厭わない連中だ。冤罪死刑囚を救い出そうとすポストの決死の闘いの末、決着は最後の法廷の場へ―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
61
弁護士殺害の罪で服役中のミラーの無実を証明するため奔走するポストのもとに、ミラー危篤の知らせが入る。もしもミラーが死亡すれば冤罪の道はそこで閉ざされる。下巻はクライム・サスペンスの剣呑な展開もあれば、45章のホラーの趣や、終盤の法廷サスペンスの興奮もあるという構成に読む手が止まらなかった。そして無実が証明されたときの感動に思わず涙も。グリシャムの上手さに平伏の作品。“作者あとがき”も面白かった。2025/05/07
stobe1904
31
【リーガルサスペンス下巻】下巻に入り緊迫感とスピード感を増していき、終盤は一気読みとなった。この作品は劇的な法廷シーンやミステリとしての謎解きではなく、重い再審の扉をこじ開けていくところがメイン。場面ごとのつなぎや切り替えに粗さがあるのは良くも悪くもグリシャムの特徴だが、この作品ではそれが読者をがっちり掴むようにうまく機能している。アメリカの法制度の欠陥のため冤罪に苦しむ服役囚を危険を顧みず無報酬で救済に奔走するチームガーディアンの姿に胸が熱くなる作品だった。★★★★☆2022/02/02
わたなべよしお
26
下巻からはテンポが上がって、なかなかの面白さでした。あえて言わせてもらうと、何か軽いような。細部に凝って緻密に組み立てたというのではなく、そこそこの材料をペンの力で書き切ったというか、そんな感じがしました。まあ、楽しんだので、良いとしましょう。2022/02/16
K
22
これが実話を元にしているということにびっくり。冤罪で死刑になりかけたり20年以上も刑務所に入っていたり。どうなるかと思ったけどラストに向けて爽快感たっぷり。でも流石にいくらか報酬貰っても良いのでは。2022/03/14
まぶぜたろう
17
後半に新たな展開があるとはいえ、あらかじめ想定されるお話、規定通りのお話が進むので、かなり冗長だし、ミステリとしての興趣にも欠ける。一方で、それを無理くりにでも読ませるのだから、さすがグリシャム。古き良きアメリカを感じさせるロードノヴェル風の味わいもいい。グリシャムは今、70歳、いい意味で歳をとった。なんだかスティーブン・キングみたいになった。にしても、アメリカって冤罪が多いのね、って驚きと同時に、アメリカの司法ってこんなに冤罪について謝罪するものなの?(◯◯◯●●)2025/06/10