出版社内容情報
卒業を間近に控えたパブリック・スクールの優等生6人が自動車で逆走。母娘3人の命を奪う大事故を起こしてしまう。20年後、一人で罪を被り刑期を務めあげたメーガンが、国会議員、辣腕弁護士ら、いまや成功を収めている5人の前に姿を現す。彼らと交わした?約束″を果たさせるために……。身代り契約の果ての惨劇を、周到に仕組まれたプロットと圧倒的筆力で展開する、予測不能サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
か
22
オックスフォードのパブリックスクールで上級監督生だった6人の仲間たち。卒業の前日、6人は車を逆走させる肝だめしをしていて死亡事故を起こしてしまう。運転していたダニエルと同乗していた5人の罪を被るというメーガン。20年後、出所してきたメーガンはそれぞれ名士となった5人に会いにくる。謎があり、どうなる?どうなる?とページをめくる手が止まらない。彼女の目的は何なのか?ハラハラ、ワクワクで興奮する。自分がどちら側の味方なのか分からなかった。じわじわと恐怖。サスペンスミステリ。これはヒット。面白かった。2024/04/29
Shun
15
帯の煽り文句が伊達ではないほど夢中になった。プロローグが終わり、20年後の場面から始終ハラハラする展開で読者を引き離さない。発端は卒業間近の優等生6人が実行した無謀な度胸試し。飲酒運転でハイウェイの逆走という浅慮な選択が無関係な母子を殺害してしまう。誰もが輝かしい将来を確信していた最中で窮地に陥るが、そこで一人の女が罪の肩代わりを申し出る。しかしそれはある”約束”と引き換えに。そして20年後、出所した彼女が要求する戦慄のその内容とは。取り返しのつかない過ちにどう対応するかに人間性が表れる、これは良い例だ。2024/04/30
シキモリ
9
度胸試しの危険運転で母娘三人の命を奪う人身事故を起こした高校生六人組。全ての罪を自分一人で被ると申し出た女学生・メーガンが五人に求める代償とは何か―?本編650頁を超える大ボリュームの作品だが、サスペンスフルな展開に頁を捲る手は自然と逸る。本編中にメーガンの視点が挿入されていないため、序盤から中盤にかけては彼女の本心が見えないことが物語の牽引力になり得たが、終盤はそのことが些か足を引っ張ってしまった印象。人間の多面性を描いていると言えなくはないが、私的には彼女の人物造詣に今ひとつ納得し難い部分があったり。2024/04/28
セロハン
2
メーガンの志向が、全く読めないのと 他の加害者達の志向が読めやすいので 凄く怖い 各章の終わりが必ず、何か意味のある言葉や行動になっているので、ほんとに先が気になって一気読みしてしまいました。 特に、中盤やや後ろで、加害者の一人がする「ある行動」が自分的にはインパクト大。 後半は、加害者達の考えも異なってくることで登場人物全員の志向がわからない五里霧中の状態へ 自分好みの素晴らしいサスペンスでした2024/04/27