内容説明
若い女性の首筋を狙う古典的なヤツから、あなたの心を、感情を、生命力まですべて汲み尽そうとする現代型まで、吸血鬼にも様々なタイプがあります。ナチスの強制収容所で生き延びようとする吸血鬼の話「死者にまぎれて」、ワインならぬ生血のヴィンテージにこだわる社交クラブのヴァンパイアたちを描く「乾杯!」など17編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めがねまる
25
吸血鬼がテーマというより、吸血鬼の行う行為(人間の生命力や意志を奪う)がテーマのアンソロジー。なので、血を吸う吸血鬼だけでなく他人のエネルギーや生命力を奪うタイプもいて、オーソドックスな吸血鬼を期待すると肩透かしを食うかも。中には、これは吸血鬼なのか...?と首を捻りたくなるものも。「死は快楽」「海はどこまでもぬれにぬれ」「銀の首輪」の3編が特にお気に入り。キリストが蘇らせた男を主軸に添えた「ラザロ」吸血鬼がユダヤ人強制収容所の収容者として出てくる「死者にまぎれて」も面白かった。2017/07/08
LUNE MER
12
吸血鬼を題材とするモダンな17の短編からなるアンソロジー。とは言っても、ドストライクな吸血鬼が描かれている話は少数派という印象で、トワイライトゾーンあるいは世にも奇妙な物語で若干吸血鬼要素を感じさせるようなショートストーリーをイメージするほうが近いかも。吸血鬼ものといえば古典的名作のドラキュラ、カミーラが突き抜けているので、これに匹敵するのは困難なのだが、まぁ吸血鬼三昧を渇望している方にはオススメ。といってももう絶版になって久しそうなので図書館じゃないと難しいかも。高1のときだったもんな、これ読んだの。2019/11/19
Nekono
3
モダンホラーの中から吸血鬼モノばかりを集めた本。どれも個性的。もう、いろんなモノを吸い取っていきます。それが、あなたの感情でも生命でも、そしてもちろん血でも。こんなにも吸血鬼に惹かれるのは、その不死性とともに、人間も他人から何かを奪い取って生きているという現実を突きつけてくるからでしょうか。今は吸血鬼よりもゾンビの時代。それは、人間の死体化(知性のない感覚のみ)を表しているのかもしれない。優雅に奪うのではなく、集団で奪い取る世界が到来しているのだろう。2012/07/20
くさてる
2
吸血鬼物アンソロジー。三人の老人の集会から始まる、シモンズ「死は快楽」が飛びぬけて出来が良い。ライバー「飢えた眼の女」はありふれた話と思いきや、最後の台詞でぞっとさせる。あと、印象に残ったのは、吸血鬼物というよりは、奇妙な味の風味が濃い、キャスパー「闇の申し子」ウィリアムスン「その悲しみを…」SF仕立ての設定が面白かった、キャディガン「汚れ仕事」など。2011/06/11
町蔵
1
再読。吸血鬼好き(言いづらい)は読めばいい。2023/02/14
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