出版社内容情報
吹雪の夜、フランス山間の町で一人の女性が殺害された。事件に関係していたのは、人間嫌いの羊飼い、彼と不倫関係にあるソーシャルワーカーとその夫、デザイナー志望の若い娘という、４人の男女。それぞれの報われぬ愛への執着を描く物語は、遠くアフリカに住むロマンス詐欺師の青年の物語と結びつき、やがて不可解な事件の真相を明らかにしていく。思わぬ結末が待ち受ける心理サスペンス。
内容説明
吹雪の夜、フランス山間の町で一人の女性が殺害された。事件に関係していたのは、人間嫌いの羊飼い、彼と不倫関係にあるソーシャルワーカーとその夫、デザイナー志望の若い娘という、４人の男女。それぞれの報われぬ愛への執着を描く物語は、遠くアフリカに住むロマンス詐欺師の青年の物語と結びつき、やがて不可解な事件の真相を明らかにしていく。思わぬ結末が待ち受ける心理サスペンス。ランデルノー賞（ミステリー部門）受賞。
著者等紹介
ニエル，コラン［ニエル，コラン］ ［Ｎｉｅｌ，Ｃｏｌｉｎ］
１９７６年パリ郊外生れ。南仏マルセイユ在住。生物多様性保全関連の職に就き、自然公園の設立のために南米の仏領ギアナやカリブ海のグアドループに滞在した経験を持つ。２０１２年より推理小説を発表し、既刊７作は国内で高い評価を得ている。’１７年の『悪なき殺人』でランデルノー賞（ミステリー部門）を受賞
田中裕子［タナカユウコ］
フランス語翻訳者（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えにくす
106
フランス山間部の集落で、1人の女性が殺された。事件に関連して夫婦仲が上手くいってない農業主の夫と、その妻でSWの女性。人付き合いの悪い羊飼い。デザイナー志望の娘。アフリカからロマンス詐欺を仕掛ける男性と、5人の男女の各々の視点から描く、フレンチ心理サスペンス。話が進む毎に伏線が回収されて、徐々に事件の真相が明らかになって行く様が、この物語の見どころだ。彼ら5人の告白の中には胸糞悪いシーンも出て来るが、総じて読みやすくてラストまで楽しめる。読了後はモヤモヤの残るイヤミスだ。★3.82023/12/16
yukaring
90
シンプルだがすごく引き込まれる、想像を超える結末に驚愕のフランスの心理サスペンス。山間の田舎町での1人の女性の失踪。彼女の失踪を5人の視点から語るストーリーだが、同じ出来事も見方を変えれば世界が反転するという巧みな演出が素晴らしい。人嫌いの羊飼い、彼と不倫中のソーシャルワーカー、彼女の夫、デザイナー志望の若い娘、詐欺師の5人が繰り広げる物語は愛と裏切り、騙しや勘違いが幾重にも重なり衝撃的な結末へと誘う。ただ愛を求めた彼らの悲劇の連鎖の果てに待ち受けるものは・・。映画化もされているようなので是非見てみたい。2023/12/07
pohcho
61
フランスの山間の田舎町で、吹雪の夜に一人の女性が失踪。 農協のソーシャルワーカーのアリスとその夫、アリスの愛人の羊飼い、デザイナーの卵の若い娘という四人の男女の視点で語られるが、全員がいろんな形で失踪事件に関わっている。そして、そこにもう一人、思いもよらない人物の存在が・・・。閉鎖的な田舎の話かと思いきや、かなり今時な展開。登場人物が皆孤独を抱えているのも、男性二人が現実の女性を愛せないのも今時だなと思う。アフリカの呪い師が興味深かった。映画化されているそうで、映像も面白そう。2024/05/08
stobe1904
46
【多視点で語られるフレンチミステリ】フランス高原地帯の農村が舞台。地元の事業家の妻が失踪し、やがて遺体となり羊飼いのジョゼフの庭先に遺棄される…。一見、接点がなく、心に闇を抱える5人の視点で少しづつ事件の繋がりが明らかになっていく構図のミステリ。登場人物が少ないながらも意外な結末に導く構想力が素晴らしい。やはりそうなのかと、ため息がでるようなラスト一行のほろ苦いクロージングが心にささった。★★★★☆2024/01/07
巨峰
39
繋がりそうにない話が繋がっていき事件は解決します。フランス発のミステリーだけど、良かったです。2024/05/19
