出版社内容情報
ともに二十二歳の前科者スキップとエディは、夜間学校で天涯孤独な十七歳の娘カレンと知り合う。彼女が身を寄せる未亡人宅に大金が保管されていることを知り、二人は現金を奪う計画を思いつくのだったが――。運命に翻弄された年若い三人の男女を待ちうける転落劇を乾いた筆致で描ききり、トリュフォーが魅了されゴダールに映画化を推した、伝説の傑作青春ノワール小説、待望の本邦初訳。
内容説明
ともに二十二歳の前科者スキップとエディは、夜間学校で天涯孤独な十七歳の娘カレンと知り合う。彼女が身を寄せる未亡人宅に大金が保管されていることを知り、二人は現金を奪う計画を思いつくのだったが―。運命に翻弄された年若い三人の男女を待ちうける転落と絶望のマディソン・ダンス。トリュフォーが魅了されゴダールに映画化を推した、伝説の傑作青春ノワール小説、待望の本邦初訳。
著者等紹介
ヒッチェンズ,ドロレス[ヒッチェンズ,ドロレス] [Hitchens,Dolores]
1907‐1973。1938年のデビューから、D・B・オルセン、ドラン・バークリー、ノエル・バークなど多くのペンネームで執筆をこなした、テキサス州出身のミステリー作家。再婚相手の夫バートとの共作で5作の鉄道ミステリーを、また西部劇などの他ジャンルにも手を広げた
矢口誠[ヤグチマコト]
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
36
「Fool's Gold」が原題で故リュック・ゴダールによって映画化された際の邦訳タイトルがこちら。映画は1964年のモノクロ映画で内容はノワール系となっておりボニー&クライドを連想する作品。邦訳初となる本書で巨匠が惚れ込んだ物語がどういった展開を見せるのかを愉しめました。主な人物は血気盛んな若者二人と世間知らずの拐かされた少女、そして魅力的で癖のある大人たち。彼らが狙うのは富豪の老女の屋敷にあるらしい曰く付きの大金。それぞれの思惑が交差し物語は意外な展開を見せ、時代の空気と共にミステリの面白さがあった。2023/03/21
星落秋風五丈原
33
これゴダールによって映画化されたんですね。映画の写真がカバーについてました。2023/03/25
巨峰
32
若い犯罪者が主人公なだけに、深みはかんじなかったけど、表現にどくとくのものがあったりして、結構楽しく読めました。2023/10/19
stobe1904
27
【1950年代のクライムノベル作品】前科のある若者二人、スキップとエディーは、ふとしたきっかけで耳にした膨大なキャッシュが保管されているという未亡人宅の強盗を企むが…。プロ犯罪者を巻き込んだ強盗事件が坂道を転げ落ちるように破綻していくさまがスピーディーに描かれ、読者を飽きさせない。60年以上前に書かれたクライムノベルだが、シンプルなストーリー構造のためか、古さは感じずとても読みやすい。ゴダールの映画も見たい。★★★☆☆2023/05/10
M H
25
未亡人の邸宅に隠されているらしい大金。計画というにはあまりに杜撰な強奪になだれこむ若者3人。前科者のエディとスキップ、天涯孤独のカレンが抱く鬱屈もそこそこに、スキップの伯父やプロの犯罪者も絡めて意外な交差をしつつ破滅へ向かう。若さゆえの愚かさと思いきや。骨格はシンプルでも含みのあるシーン、皮肉な巡り合わせに翻弄される後半が印象に残った。映画は未見。2024/04/29