出版社内容情報
19世紀末、夜ごと流麗な舞台が繰り広げられるパリの花、オペラ座。その地下深くには奇怪な事件を巻き起こす怪人が棲み着いていると噂されていた。怪人は若く可憐なクリスティーヌに夜毎歌の手ほどきを授けていたが、歌姫に想いを寄せる幼馴染の子爵との仲に嫉妬しクリスティーヌを誘拐。結婚を迫り、拒否すればオペラ座を爆破すると脅すのだった……。ホラー小説の先駆けと名高い世紀の名作。
内容説明
19世紀末、夜ごと流麗な舞台が繰り広げられるパリの花、オペラ座。その地下深くには奇怪な事件を巻き起こす怪人が棲み着いていると噂されていた。怪人は若く可憐なクリスティーヌに夜毎歌の手ほどきを授けていたが、歌姫に想いを寄せる幼馴染の子爵との仲に嫉妬しクリスティーヌを誘拐。結婚を迫り、拒否すればオペラ座を爆破すると脅すのだった…。ホラー小説の先駆けと名高い世紀の名作。
著者等紹介
ルルー,ガストン[ルルー,ガストン] [Leroux,Gaston]
1868‐1927。フランス、パリに生れる。大学で法律を学んだのち、新聞の事件記者に。「ル・マタン」紙で連載小説を手掛けるようになってからは、探偵小説や推理小説、冒険小説、怪奇小説の先駆的な作品を多数遺した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shun
37
タイトルが有名すぎる作品で、原作を読んだことがなくとも一度は目にした人も多いであろう「オペラ座の怪人」。本作は未読でしたがオペラ座という特有の場所に潜む怪人から連想するのは、不可解な現象と謎の殺人事件といったらやはり類似のミステリ小説の影響を受けているようだ。オペラ座という閉鎖的な状況で暗躍する骸骨だとか仮面を被った男といった強烈な個性を持つ怪人が登場する怪奇小説、おそらくこの型式に触発・創作された作品は数え切れない。怪奇的な雰囲気とは別にオペラ座の絢爛な貴族趣味や頽廃的な世界にどっぷり浸れる古典的名作。2022/10/20
かおりんご
29
小説。映画と舞台が好きで何度も見ているのに、原作を読むのは初めて。知っている話とは内容が異なるが、これはこれで面白い。怪人のストーカー気質が何とも言えない。愛情不足で育ったせいもあるのだろうけれど、怪人のとった行為は愛ではないな。2022/09/12
ちゃあぼう
3
現在でも読み継がれている名作品ということで読んでみたのだが、その容姿ゆえに世間を恨んでいるエリックの行動が描かれているのだが度重なる事故の仕掛けの説明した文章がなく、よく頭に入らなかったというのが素直な感想であった。この作品はホラー小説でもあり純愛小説でもあるのだろうか?冒頭に記した通り名作品には違いはないと思えるので、この先2回、3回と読めば理解できるのだろうか?2023/11/30
まどの一哉
2
物語半ばまでは誰もいない場所から声が聞こえたり、人間が急に消えたりあり得ない出来事が連続し、怪人はどう考えても悪霊的存在で、怪奇小説として読まざるを得ない。 ところが半ばを過ぎるにつれ一つまた一つとトリックが解明されて、怪人もその姿を現わし、しだいに謎解きを含む推理冒険小説の形をとってくる。まさに怪奇・推理小説の先駆的名作とよばれる所以である。2023/11/13
とらやん
2
前半は昔の小説に良くある、ストーリーがなかなか進まない展開でウンザリするが、後半の奈落の冒険はアニメ化にピッタリな、不思議な感じだったな。何より解説の、劇場についての話しが秀逸。怪人の生い立ちも解ったし、もう一度ミュージカルを見直したくなっちゃった。2023/01/25