出版社内容情報
2017年、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事が世界を変えた。映画界で権力を誇る有名プロデューサーが、女優や従業員らに性的虐待を行ってきた衝撃の事実。報道の背景には、二人の記者による被害者への丹念な取材や加害者側との駆け引きがあった。その日を境に、女性たちは声を上げ始めた――。#MeToo運動を拡げたピュリッツァー賞受賞記事の内幕を描く調査報道ノンフィクション。
内容説明
2017年、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事が世界を変えた。映画界で権力を誇る有名プロデューサーが、女優や従業員らに性的虐待を行ってきた衝撃の事実。報道の背景には、二人の記者による被害者への丹念な取材や加害者側との駆け引きがあった。その日を境に、女性たちは声を上げ始めた―。#MeToo運動を拡げたピュリッツァー賞受賞記事の内幕を描く調査報道ノンフィクション。
目次
第1章 最初の電話
第2章 ハリウッドの秘密
第3章 いかに被害者を黙らせるか
第4章 好意的な評判を手に入れる
第5章 会社ぐるみの犯罪
第6章 「ほかにだれがオンレコで話してる?」
第7章 「動きがあるだろうな」
第8章 浜辺のジレンマ
第9章 「DCに行くという約束はできない」
終章 集まり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽてち
40
ハリウッドの大物プロデューサーで、ミラマックスの設立者だったハーヴェイ・ワインスタインが、長年にわたり複数の女性に性的虐待を行っていた。この事件を長期間取材し報道した、ニューヨーク・タイムズの女性記者2人による息詰まるノンフィクションが本書だ。被害者は大物女優や自社の社員など見境がなく、手口は常に同じだから笑うしかない。こんな奴が“神”扱いされていた映画界って何なんだ? この報道後、口を閉ざしていた被害者たちが続々と名乗りを上げ、#MeToo運動がさらに広がった。なお、映画化作品が1月13日に公開される。2023/01/07
シキモリ
23
同名映画の原作本。映画では描き切れなかった取材の経緯や事件の詳細を知りたくなり、帰り掛けに購入。登場人物が多く、時系列も時折前後するので少々分かり難い部分もあったが、映画を観ていたおかげで十分理解出来た。逆に、映画を観ていなければ読み進めるのに苦戦かもしれない。映画にはない取材記事掲載後の世論の動きやMeToo運動活発化の背景を知れたのも良かった。オンレコに同意した女性二人の勇気に只々頭が下がるばかり。本の内容や原題「She said」の意味合いに対し、この邦題はピントを外している気がしてならないけれど。2023/01/21
ブラックジャケット
14
本著にカウチキャスティングという言葉があり、なるほどと納得してしまった。キャスティングの絶大なる権力を持つミラマックスの花形プロデューサー・ハーヴェイ・ワインスタインが、ホテルの自室に女優を招き、性関係を強要するなんて、テレビの艶笑コントの世界と思っていた。ここで被害を受けた女性になるはずの弁護士が、長引く裁判を避けて、示談金をせしめて幕引きにすることだ。リスクなしに手数料が稼げる。長らくワインスタイン事件が表沙汰にならなかった原因がここにある。権威をバックにした性犯罪を断じたNYタイムズの画期的作品。 2023/06/06
kamakama
12
単行本を読んで映画を見て、ものすごく良かったのですが、よくわからない所も多々あって、文庫本を買ってじっくり読んだ後、再度映画を見ました。一度目に比べると感激度が段違い。二人の女性記者の奮闘と記事にあげるまでの苦労が実感として迫ってきました。被害者の女性たちが声を上げるまでの困惑と恐怖に、優しく寄り添いながら、彼女たちは取材を続けます。映画でおおいに感情を揺さぶられ、じっくり本書を読むと#MeToo運動が歴史の流れの大きな転換点となった経緯がよくわかります。映画と本ダブルで味わうことをおすすめします。2023/04/12
バトルランナ-
9
4.3点。ダリルハンナはワインスタインの被害者 ボノボの生態。レイプされそうになるとメスが特別な鳴き声をあげ、他のメスが助けにくる。 示談は弁護士とっても、経済的に好都合。少なくても三分の一なるが負ければ報酬はゼロ。政府の機関、連邦雇用機会均等委員会ですらも内容を秘匿した。非開示にしたのである。示談書の特殊条項。口止め料。隠蔽に利用。示談金900万ドルを失う。 秘密保持契約書。チャーリーシーン。エイズだったのか。ハルクホーガン。性行為隠し撮りされてたのか❗️示談は8件から12件。2024/03/07