内容説明
一六三二年、英国に生れた船乗りロビンソンは、難破して絶海の孤島に漂着した。ここから二十八年に及ぶ無人島生活が始まった―。不屈の精神で鳥や亀を獲り、野生の山羊を飼い慣らしてバターやチーズを作り、パンまでこしらえてしまう。ところが驚天動地の事態が…。めげない男ロビンソンを通して人間の真の強さを描き、世界中に勇気と感動を与えてきた、冒険文学の金字塔。待望の新訳。
著者等紹介
デフォー,ダニエル[デフォー,ダニエル] [Defoe,Daniel]
1660‐1731。ロンドンに生れる。メリヤス商、煉瓦製造業、税務吏などの職を転々とした後、国教会を冷罵する論文を書いて投獄された。出獄後、雑誌を発行してジャーナリストとして活躍。1719年、59歳にして初めての小説『ロビンソン・クルーソー』を発表。大評判となり、以降、数々の傑作を著した
鈴木恵[スズキメグミ]
1959年長野県生れ。早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
124
少年時代に読んでかなりわくわくした覚えがあります。ただ当時読んだのは簡約版なのでしょうね。孤島に遭難してつくまでに結構長い時間があったということも今回気付きました。箴言のようなセリフもあったりして少年向け童話というよりもヤングアダルト向けではないかという気もしました。今回これを読んで、大塚久雄先生の「社会科学における人間」(これはこのロビンソン・クルーソーを引用しています)を再読したくなりました。2019/11/08
Yamazon2030
74
2020(29) 通信教育のレポート作成のために、ロビンソンクルーソーを読む!300年前に書かれたものとは思えないほど、面白いストーリー!面白いだけでなく、苦難の乗り越るための心の持ちようなど、ためになった!!やはり、時が経っても読む継がれる作品の理由がわかったように思った。2020/05/22
Shoji
59
子どもの頃に読んでいると思いますが、大人になって読むと「こんな物語だったのか」が感想です。中産階級の生活に飽きたロビンソン・クルーソーは、自身が経営する農場の労働者(いわゆる奴隷)を求める途中で難破し、無人島での生活が始まります。生きるための智恵を絞り、創意工夫して生活を切り開いて行きます。近くの島から来た野蛮人(人喰族)とも闘争し、やがて祖国に帰るお話です。奴隷制が公然であった300年前の小説なので人命蔑視の感があり、野蛮な描写もあります。子どもの頃のイメージである冒険活劇とは随分かけ離れた物語でした。2019/08/14
肉尊
58
無人島漂着記ということは知っていたが、ここまで内省的な書物だとは思わなかった。放蕩息子の如く、冒険心に誘われて世界に旅立つロビンソン・クルーソー。自然から得られる恵みから彼はあらゆるものを創造していく。蛮人の襲来に怯えながらも、それまで襲来の事実を知らされていなかった自らの境遇に神の愛を実感する。約6割くらい読みすすめてから、最愛の友を得ることに。文明の衝突とキリスト教世界観の普遍性、キリスト者としての生き抜き方が見えてくる。単なる冒険譚を超越した心に残る名作!2022/11/29
loanmeadime
21
無人島の話、ということぐらいしか知らなかった本です。他人と関わりを待たない前半の生活は、サバイバルというよりはどこか楽しげでもあり、究極のDIYといった趣でした。難破した船から、持ち出した書物に聖書があり、これを読み続けることで、ロビンソンなりの信仰を得、それにより孤独な生活を充実したものにしていました。食人をする蛮人に対峙する時にする自問自答にはとても冷静なものを感じました。2021/09/14