内容説明
ニューヨーク市警のはみだし刑事ニックは、所轄管内で2人の人間を殺害した日本人サトウの護送を命じられる。が、相棒のチャーリーともども大阪空港に着いた早々、出迎えの警官に扮した一味に、まんまとサトウを奪われてしまう。この大失態を挽回すべく、アメリカ人刑事コンビは、言葉もわからぬ異国の大都会で必死の捜査を始める。大阪を舞台に描く異色のポリス・アクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえすとろ
26
1989年公開のリドリー・スコット監督、マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作、アンディ・ガルシア共演による大阪を舞台にしたサイバーパンクな刑事アクション映画のノベライゼーション。逃走したヤクザの凶悪犯佐藤(松田)を追うアメリカの刑事ニック(マイケル)、チャーリー(アンディ)らを補佐する大阪府警の刑事松本(高倉)の姿を通して、国、組織や規則の違いからお互いに反発し合うも次第に人種を超えた信念から友情が芽生えて行く心理描写を小説の長所を生かして丁寧に描き上げる。題名の『ブラックレイン』は日本人の心の影か。 2014/11/03
まえすとろ
25
高倉健さん追悼。1989年公開のリドリー・スコット監督、マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作、アンディ・ガルシアら、日米俳優の共演による大阪を舞台にしたサイバーパンク(構造・機構・体制に対する反発や反社会性を主題とした思想)を取り入れた刑事アクション映画のノベライゼーション。 米ニューヨーク市警のワンマン刑事が日本警察の規則や規定といった社会的行動を強いられ苦闘する中で、己を貫き通す主人公ニック(マイケル)と秩序を重んじる日本の刑事松本(高倉)との折衝の中で友情と「集の中の個の姿とは?」を描いた傑作。2014/11/22
まえすとろ
2
1989年公開のリドリー・スコット監督、マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作、アンディ・ガルシアらの共演による大阪を舞台にしたサイバーパンクな刑事アクション映画のノベライゼーション。日本へ護送するも逃走したヤクザの凶悪犯佐藤(松田)を追うニューヨーク市警の刑事ニック(マイケル)とチャーリー(アンディ)らを補佐する大阪府警の刑事松本(高倉)。警察組織でありながら国や組織、規則の違いから反発し合うも、次第に人種を超えた個人の信念から友情が芽生えて行く心理描写は小説の長所を生かして丁寧に描き上げられている。2011/01/14
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1
もともと映画が非常に好きだったので図書館で借りて読むことにした。 映画公開前に翻訳されたもののようだが内容はむしろ映画の内容を深く掘り下げたものでニック(マイケルダグラス)やマサ(高倉健)が、それぞれどのような視点、考えを持っていたのかをより深く知ることができた。何度でも読みたいが借り物なので期日があるのが残念である2020/04/01
レインツリー0033
1
主演のマイケル・ダグラスのダメ刑事ぶり、片や日本の頑ななまでの真面目な刑事役の高倉建さんがかっこいい。しかし、さらに凄いのは悪役を演じた松田優作の演技は鬼気迫るものがありました…って、本のレビューじゃないじゃんっ!2011/01/21